AI文章校正「wordrabbit(ワードラビット)」を運営する株式会社Remedies(本社:東京都千代田区、代表取締役:福澤 剛)は、国立大学法人筑波大学および国立国語研究所との共同研究プロジェクトにおいて、技術協力として中核となるAIエンジンの開発を担当いたしました。そして本日、本プロジェクトの成果として、日本語学習者のための作文添削・評価システム「作文ジョーズ」が、筑波大学より無料一般公開されたことをお知らせいたします。本システムでは、当社の独自AI技術を活用し、日本語を母国語としない方の作文を自動評価・添削することで、教員の添削負担を軽減するとともに、学習者一人ひとりのレベルに合わせた自律的な学びを支援します。

日本語学習者の課題 〜膨大な作文指導コストと、汎用AIによる「直しすぎ」の壁〜

日本語教育の現場では、「作文指導」は学習者の能力向上に不可欠なプロセスです。その一方で、個別性が高く、教員の負担が非常に重い業務でもあります。生成AIの登場で自動添削も期待されていますが、従来の生成AIは学習者の意図を無視してネイティブ風に直しすぎる「過剰修正」や、「習熟度に合わない難解な表現の提示」といったミスマッチが課題でした。

こうした課題に対して、今回のプロジェクトでは、専門的なAI文章校正技術と学術的観点を融合。学習者のレベルを捉え、元の表現を尊重しながら最適な助言を行うことで、教育現場の負担軽減と、質の高い自律学習の両立を目指しています。

「作文ジョーズ」の機能

1. 作文の自動添削

日本語学習者に特化した作文添削AIが、作文を添削します。いきなり正解を表示するのではなく、見直しが必要な箇所に対して下線とヒントを提示します。

2. 作文の自動評価

文法や語彙などの要素ごとに評価結果を表示します。詳細な評価によって、学習者は得意領域と苦手領域を細かく把握して、学習につなげることができます。

筑波大学 人文社会系 岩崎 拓也先生のコメント

昨今の日本語教育現場では、学習者の多様化に伴い、短時間で言語能力特性を把握し、適切なクラス分けや指導計画に結びつける評価手法の必要性が高まっています。既存の日本語能力テストには、オンラインで実施可能なライティングのプレースメントテストは存在しませんでした。そこで「語彙」や「文法」の観点から学習者の能力特性を定量的かつ可視的に評価する仕組みを備える「作文ジョーズ」を開発しました。従来の一元的なレベル判定に比べ、より診断的な情報の提供が可能となることで、クラス編成のみならず、個別指導やカリキュラム設計への活用を期待しています。

国立国語研究所 石黒 圭先生のコメント

本システムは、国立国語研究所で構築した「W-CoLeJa」と呼ばれる縦断作文コーパスのデータに基づいて産学協同で開発されました。開発にあたっては、学習者の元の作文表現を尊重しつつ、当該学習者のレベルにあったフィードバックを行うために考えた「直しすぎないフィードバックの考え方」を重視しています。これにより、現場の日本語教師の添削負担が大幅に軽減され、学習者が自律的に作文学習を行える環境が整うことを期待しています。

「作文ジョーズ」の特徴 〜学習者の意図を尊重する独自の設計〜

1. 過剰な書き換えをしない

学習者の意図を尊重するため、「明らかな誤り」と「より自然な表現の提案」を明確に区別します。生成AIによる添削で課題となりやすい過剰な書き換えを抑制し、学習者自身の文章を活かした修正提案を行います。

2. 学習者のレベルに合わせた提案

日本語能力に合わせて、フィードバックのレベルを自動で調整します。初級者には基礎的な文法を中心に、中上級者にはより自然な表現を提案するなど、習熟度に合わせたアドバイスを行うため、段階的な学習が可能です。

「作文ジョーズ」の活用シーン

1. 教員の作文指導

基本的な文法や表記などの形式的な誤りはAIが指摘するため、教員は内容・構成・論理展開の指導に集中できます。

2. 学習者の自主学習

就職活動や進学に向けたレベルチェック、資格試験の記述問題対策など、目的に合わせた自主学習をサポートします。

「作文ジョーズ」サイトURL

https://s-jaws.cegloc.tsukuba.ac.jp/

「wordrabbit」について

「wordrabbit」は、日本語文章の校正に特化したAIソリューションです。従来、完全手作業で実施されてきた校正業務において、wordrabbitは日本語の機微や専門領域のルールを深く解釈する特化型AIとして、プロの品質管理を高度化します。

株式会社Remediesについて

Remediesは、日本語×AIに関する独自技術をもとに、日本語に特化したソリューションを手掛けるAIスタートアップ企業です。2024年には国内最大級のスタートアップピッチコンテスト「IVS LaunchPad」のファイナリストに、2025年には東京都女性ベンチャー成長促進事業「APT Women」に選定されています。CEO・CTOが国立国語研究所共同研究員として参画。日本語領域の特許を保有し、「作文ジョーズ」においては、日本語学習者特有の誤用パターンに対応したAIモデルと、高度な係り受け解析に基づく添削ロジックを提供。中核となるAIエンジンの開発・設計を通じて、日本語教育の個別最適化と評価プロセスの高度化を支援しています。