漢字のルール

UXライティングで使用する漢字は、常用漢字を使います。常用漢字とは、分かりやすく通じやすい文書を書くために、文化庁が公開する漢字の目安です[*出典出典]。名詞や動詞などすべての品詞で共通して、常用漢字を使います。常用漢字外の漢字を使う場合、別の表現ができる場合は言い換えて、言い換えが難しい場合はひらがなで表記します。

固有名詞、専門用語の扱い

常用漢字外であっても、固有名詞、専門用語または特殊用語の場合には、ふりがなを添えて漢字のまま使います。例えば、人名や地名といった固有名詞や、「試薬撹拌機」といった専門用語または特殊用語を使う際は漢字のままで構いません。

ひらがなのルール

漢字とひらがなは、「開く」と「閉じる」を使い分けます。漢字で表現できる語に対して、ひらがなで書くことを「開く」、そのまま漢字で書くことを「閉じる」と言います。

次のルールを基本として、「開く」と「閉じる」を定めます。「開く」と「閉じる」は好みで決めるのではなく、ある程度一般的なルールに沿いながら、ボイス&トーンによって変化させます。

1. 形式名詞はひらく。 形式名詞はひらきます。形式名詞とは「いただく」「そのため」など、すでに本来の意味を失っている名詞を言います。

形式名詞の例
このうち(内)、いただく(頂く)、そのとき(時)、そのため(為)、このとおり(通り)

2. 補助動詞、補助形容詞はひらく。 補助動詞・補助形容詞はひらいて書きます。本来の意味から離れているためです。

補助動詞・補助形容詞の例
調べてみる(見る)、行ってくる(来る)、行きたくない(無い)、食べてほしい(欲しい)

3. 一般に、開いて書かない言葉はひらかない。 普通、ひらいて書かない言葉はひらきません。ユーザーは、意図があってひらいていると感じるためです。

悪い例
かたち、ひと、すすむ

[出典]
文化庁『常用漢字表』2010