無料で使える文字起こしソフト・アプリを比較
無料の文字起こし音声認識ソフト・アプリのランキング | 仕事ができるライターになる
文字起こしや議事録の作成に無料で使えるアプリやソフトを紹介します。iPhoneのボイスメモで自動文字起こしができるアプリをはじめ、録音した音声をgoogleの自動音声認識で文字起こしする方法、ボイスレコーダーの音声を文字起こしするアプリのグラバーやspeechyなどを比較しました。時間がかかる議事録作成の時間を自動化することで、大幅にライティングの時間を短縮、効率化することができます。この記事でご紹介するのはフリーソフトのみ。費用をかけずに無料で試すことができます。仕事がデキるライターになるために効率的に使える文字起こしソフトをリサーチしました。
Maki Higashi
株式会社Remedies 執行役員CXO / UX Writer最終更新日 : 2020年12月15日
ライターに役立つ情報をお届けするpro writers編集部です。ライターにとってインタビュー記事などでの議事録作成にかかる負荷は非常に大きいもの。文字起こしを音声認識で自動化できるアプリやソフトの中でも無料で使えるものだけを集め、実際にどのくらい正確に認識されるのか検証しました。広告料などはどのサービスからも一切いただかず、しっかり公平に検証。本当に使える文字起こしソフトはどれなのか調査した結果をお伝えします。
文字起こしはどのくらい大変?
インタビュー記事の議事録作成や、会議の記録のためにたびたび必要になる音声の文字起こし。手作業で行う場合、非常に面倒で膨大な時間がかかってしまうのです。
1時間のインタビューの文字数を15000〜20000文字(平均17500文字)、1分で入力できる文字数:100〜200文字(平均150文字)とすると、単純計算でも1時間のインタビューの文字起こしを行うのに、約116分=約2時間かかることになります。
面倒な文字起こしを少しでも楽にするためには
文字起こしは時間がかかって非常に面倒です。
だからといって、文字起こしのデータは記事を書くときや後で振り返る際には、あるととても便利。決して無くせない作業です。
そこで、検討したいのが無料の音声入力ソフトです。
ここでは、「多くのソフトやアプリがあるので、試したいけれどどれが一番正確に音声が認識されるのか分からない」「忙しいのでいちいち試している余裕がない」という方に向けて、今ある中でどれが一番良さそうなのか、8つのサービスの調査を行いました。
また、解析の精度も気になるところです。今回は、夏目漱石の「我輩は猫である」の冒頭の文章を読み上げて録音し、同じ音声データを解析させた結果も載せました。
読み上げたのは、以下の文章です。
吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当(けんとう)がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪(どうあく)な種族であったそうだ。
文字起こしアプリ・ソフト比較表
サービス名 |
総合評価 |
使いやすさ |
googleドキュメントの自動文字起こし機能 |
★★★ |
◎ |
Mac PCに標準搭載されている文字起こし機能 |
★★☆ |
◎ |
WindowsPCに標準搭載されている文字起こし機能 |
☆☆☆ |
△ |
iPhoneアプリ「speechy」 |
★★☆ |
◎ |
iPhoneアプリ「recoco」 |
★★☆ |
○ |
iPhoneアプリ「グラバー」 |
★☆☆ |
△ |
iPhoneアプリ「Voice2Clipboard」 |
★☆☆ |
△ |
iPhoneアプリ「文字起こし」 |
★☆☆ |
△ |
【PCソフト編】文字起こしでおすすめの無料ソフト
まずは、PCで使える文字起こし用のソフトをおすすめ順に紹介します。
【1位】googleドキュメントの自動文字起こし機能

最もおすすめなのはgoogleドキュメントの自動文字起こし機能です。
googleドキュメントの自動文字起こし機能は、グーグルが提供する無料のソフトウェアです。ネットにつながっていればどこでも利用することができ、回数や容量などの制限もありません。解析した結果も、もちろん一字一句間違っていないかというとそうではないのですが、認識できるレベルです。
解析結果
吾輩は猫である名前はまだ無いどこで生れたかとんと見当がつかず何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している吾輩はここで初めて人間というものを見たしかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番当惑ナシ族であったそうだ
評価
総合評価
★★★
よい点
- 無料で、誰でも簡単に使用できる
- 利用回数の制限がない
悪い点
【2位】Mac PCに標準搭載されている文字起こし機能

Macをお使いの方は、Macに標準搭載されている文字起こし機能を使うという手もあります。Mac音声認識の方法についてはヘルプをご確認ください。
解析結果
吾輩は猫である名前まだないどこで生まれたかとんと見当がつかぬ何でも薄暗いじめじめした所でにゃニャなげることだけは記憶している吾輩はここで始めて人間というものを見たしかもあとで聞くとそれは書生という人間充電一段と私のフェアだそうだ
評価
総合評価
★★☆
よい点
- MacのPCを持っていれば、誰でも簡単に使用できる
悪い点
【3位】Windows PCに標準搭載されている文字起こし機能

WindowsのPCにも、音声入力機能が標準搭載されています。ウインドウズのメニューから「コントロールパネル」→「コンピューターの簡単操作」→「音声認識の開始」を行うことで使用できます。
Windows音声認識の方法についてはヘルプをご確認ください。
しかし、これは文字起こしとして使うよりは、音声でPCをコントロールする用途に向いているかと感じました。解析結果は、文章として成立しておらず、これは文字起こしとしては使えないものでした。ただ学習機能がありますので、使い込んでいくにつれ精度は上がるかもしれません。
解析結果
つつ優れじめじめした反映では不足しているが増え始め、延辺をにらがわフレッシュ降旗相談
評価
総合評価
☆☆☆
よい点
- WindowsのPCを持っていれば、誰でも簡単に使用できる
悪い点
【iOSアプリ編】文字起こしでおすすめのiPhoneアプリ
携帯でささっと文字起こしがしたいという方におすすめの、iPhoneアプリをご紹介します。
しかし、使用用途によって順位は大きく変わってきそうです。単純に文字を起こすものであったり、打刻をしてくれるものであったりと様々です。今回は単純に文字を起こすものという観点で順位づけを行いました。
【1位】iPhoneアプリ「speechy」

iPhoneアプリ「speechy」 は、使い勝手のよい無料文字起こしアプリです。他のアプリと比較すると分かりやすくシンプルで、書き起こした文章テキストは他ソフトに連携することができます。
「speechy」の使い方

① 文字起こし文章の日英切り替え
② リアルタイムでの文字起こし原稿書き起こし
③ 録音開始ボタン
④ 文字起こし原稿のシェア
⑤ 広告エリア
解析結果
輩は猫である名前はまだないどこで生まれたかとんと見当がつかん何でも薄暗いじめじめした所でニャンニャン泣いていた事だけは記憶している吾輩はここで始めて人間というものを見たしかもあとで聞くとそれは所詮と言う人間中で一番同枠な種族であったそうだ
評価
総合評価
★★☆
よい点
- 直感的に操作できて使いやすい
- 音声認識モードで1人か多人数かを選択できる
- 音声テキストは任意の言語に変換できる(88以上の言語)
- テキストは、Evernote、Dropbox、Googleドライブ、OneDrive、Facebook、Twitter 、Snapchat、whatsapp、LINEなどにワンクリックで簡単に送信できる
悪い点
- 有料版(600円)にしないと利用回数に制限がある。無料版では10回ほどしか使用できない。
- 広告が出ているので気になる人は気になる(有料版では広告が出なくなる)
- リアルタイム文字起こしなので、データの通信状況によって反応が悪い
【2位】iPhoneアプリ「recoco」

recocoは、録音中にタグをタッチすることで、タイムラインに目印をつけることができるアプリです。こちらは完全な文字起こしとして使うよりは、いつどの発言があったかという時刻の記録が必要な際に、重宝するアプリでした。時刻の記録が必要な場面では、このアプリが一番おすすめです。
「recoco」の使い方

① ストップボタンと録音秒数
② 文字起こしされた文章
③ 広告エリア
④ タグエリア(黄、赤、黒の3種のタグをタッチするとタイムラインに残る)
解析結果
我輩は猫である名前はまだないどこで生まれたかとんと見当がつかん何でも薄暗いじめじめしたところでいたことだけは記憶している我輩はここ一番道悪な種族であったそうだ
評価
総合評価
★☆☆
よい点
- 録音をはじめるとリアルタイムで文字が出てくる。発言時間が自動で記録される。
- 録音中にアプリにタイムラインのようなメモやタグが残せるので、議事録の中にメモを残したい時に便利。
- ファイルはMP4で保存される。
悪い点
- 現在無料だが、将来、有料化される予定だそう。
- 録音ボタンと停止ボタンの位置が分かりずらい。
- 大きく広告が出ているので割と気になる。
- 解析精度は低め。無音状態が発生すると時刻が記録されるが、打刻の切れ目で解析の精度が低いと感じる。
- リアルタイム文字起こしなので、データの通信状況によって反応が悪い
【3位】iPhoneアプリ「グラバー」

グラバーは最大90秒までという制限がありますので、文字起こしアプリというよりはボイスメモアプリです。またログインが必要な点も少し難点です。
「グラバー」の使い方


① 停止、一時停止ボタン
② 録音後に文字起こしが行われる
解析結果
吾輩は猫である名前はまだないどこで生まれたかとんと見当がつかない何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていたことだけは(時間切れ)
評価
総合評価
★☆☆
よい点
- 録音したデータはファイルではなく、URLでシェアできる。
- 広告が出てこない。
悪い点
- 録音は最大連続90分までと制限がある。
- 文字起こしにかかる時間が長い(計測日時点では、10秒の録音に対して約8秒間)
【4位】iPhoneアプリ「Voice2Clipboard」

Voice2Clipboardはサッと文字起こしする際にはよいですが操作性に難があります。分かれば使えなくはないですが、解析結果はspeechyと同じです。なのでspeechyを使うほうが良さそうです。
「Voice2Clipboard」の使い方

① リアルタイムでの文字起こし原稿書き起こし
② 録音開始ボタン
③ 文字起こし原稿のシェア
④ 広告エリア
解析結果
吾輩は猫である名前はまだないどこで生まれたかとんと見当がつかん何でも薄暗いじめじめした所でニャンニャン泣いていた事だけは記憶している吾輩はここで始めて人間というものを見たしかもあとで聞くとそれは所詮と言う人間中で一番同枠な種族であったそうだ
評価
総合評価
★☆☆
よい点
- 音声ファイルを取り込んで、文字起こしを行うことも可能
悪い点
- 音声認識できる時間が1分間と、使い物にならない
- ボタンの意味がわかりにくく、説明を読まないと使えない
- 広告が出るので気になる
【5位】iPhoneアプリ「文字起こし」

「文字起こし」アプリは、recocoのように打刻を伴う文字起こしアプリです。recocoより解析結果はいいように感じますが、操作性は不安があり、このアプリで録音をするのも不安を伴います。
「文字起こし」の使い方

② 広告エリア
④ 録音開始ボタン
解析結果
吾輩は猫である名前はまだ無いどこで生れたかとんと見当がつかない何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している
[0:00:14] 吾輩はここで初めて人間というものを見た
[0:00:19] しかもあとで聞くとそれは小生という人間中で一番同枠な種族であったそうだ
評価
総合評価
☆☆☆
よい点
- 音声ファイル取り込んで、文字起こしを行うことも可能
悪い点
- UIから察するに音声ファイル取り込んで、文字起こしをできそうだがボタンは反応しない
- ボタンの意味がわかりにくく、説明を読まないと使えない
- 広告が出るので気になる
総評
今回全ての文字起こしソフト・アプリを試してみましたが、遠くの音声や複数人の音声を拾うことが苦手のようです。
そのため、自分で声を吹き込む形でのセルフ文字起こしには十分使うことができましたが、対談やインタビューでの使用には不足があると感じました。
ただし、以下の工夫を行うことで、音声の品質をあげることができましたのでご紹介します。
音声の文字起こしを行うときのポイント
ポイント1. マイクの位置
調査の結果、マイクを近づけることが何より重要であることがわかりました。
マイクと口との距離をできるだけ(5-15cm以内)に近づけるようにすることがポイントです。
マイクとの距離があると、どのソフトも全く使い物になりませんでした。
ポイント2. マイクのタイプ
自分でマイクに向かって話すのであれば、マイクの質はそれほど重要ではなく、スマホやPCについているマイクで十分です。
ただ、インタビューなどで使用する場合、マイクと話者の距離がかなり近いことが前提のため、自立型のマイクなどで距離を近くすることが必要となってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
音声入力は便利とはいえ、まだまだ未発達の分野。全てを求めることはできませんが、うまく活用することで議事録を作成することの工数を削減することができます。
文字起こしや議事録の作成にかかる手間が少しでもなくなればと思います。
まだ使ったことがない方は、自分の執筆スタイルに合うかどうか、ぜひ試してみてくださいね。
AI文法チェックならwordrabbit
文章を入力するだけで
簡単に文法チェックが
行えます。
ウェイトリスト登録受付中

株式会社Remedies 執行役員CXO / UX Writer
株式会社Remedies 執行役員CXO。欧米学問のテクニカルライティングに基づいた執筆技法で、プロダクトライティングや、専門性が高い記事の執筆を行う。PR会社、ソフトウェアメーカー、スタートアップの立ち上げを経て、Remediesを起業。wordrabbitで執筆した記事は累計700万PVを超える。