誤字脱字チェックツールとは?面倒な確認作業を削減できる?

誤字脱字チェックツールは、助詞などの文法の誤りやタイプミスなどを修正できるサービスです。PCやスマホなどの画面上で日本語の文章を入力したり、貼り付けたりするだけで、簡単にミスを発見することができるのが特徴です。

例えば誤字脱字チェックツールを使うことで、「私の名前を田中です」といった誤字脱字を「私の名前は田中です」と自動的に修正することができます。

ツールを使うメリットの一つは、確認時間を短縮できる点です。1秒で読める文字数は5〜10文字程度と言われているので、10000文字の文章を読むだけで約16〜33分かかる計算になります。さらに修正や指摘する時間を加えると、約1時間かかります。しかしツールを使うことによって、チェックにかかる時間を5〜30分ほどに短縮することができます。

二つ目のメリットは、文章の精度を向上できる点です。機械的にチェックを行うことによって、半角・全角の揺れや文法のミスなど、人の目では発見できないような間違いを発見することができます。複数人のチームで文章を作成する場合、同じ単語を表すのに複数の表記が混在してしまう場合がよくありますが、このような表記ゆれの検知も機械的に行うことができます。

一方、デメリットとしては、手作業によるチェックがゼロにはならない点です。機械チェックだけで確認を完了させるケースもありますが、文章自体の構成や方向性については、ある程度人間によるチェックが必要です。

間違えると恥ずかしい文法ミスがゼロに
文章を入力するごとに、誰でもリアルタイムで文章のミスがチェックできます。
詳しく見る

誤字脱字チェックツールの選び方【4つのポイント】

誤字脱字チェックツールを選ぶ際のポイントのうち、精度の高さは大きなポイントとなります。人間に近い検知を行うことができれば、仕事量を削減して、その分、他のことに時間を使うことができます。

そこで、インターネットで契約してすぐに使える10個のツールのうち、誤字脱字の精度を測る具体的な評価項目としては、助詞の誤り・文法の誤り、タイプミス、送り仮名のミス、漢字のミスといった観点で、それぞれの項目につき200個、合計800個の文(※)を入力して精度を比較しました。

(※)判定方法について
・対象文章
インターネット上から無作為に抽出した文章。誤字脱字ツールの代表的な機能である「助詞の誤り」「タイプミス」「送り仮名のミス」「漢字のミス」の4ジャンルで、誤りを含む各200個の文を入力した結果を比較。
・検知方法
それぞれのツールで提示される修正候補をすべて反映し、修正候補が表示されないものについては反映せずに修正前・修正後の文章で該当の誤り部分が修正されているかどうかを機械的に判定。
・計算方法
判定した結果について、対象文章全体を100とした場合の割合(パーセンテージ)をpointとして、合計400point中のpointを計算。

1. 「助詞の誤り」の修正

日本語は書き手の心情を表す言葉が発達していて、とくに助詞・助動詞にその特徴が顕著に現れると言われています。文の中には多くの助詞が含まれているため、例えば「ラーメンを食べる」が「ラーメンに食べる」になっていたり、「将来パイロットになる」が「将来パイロットにになる」になっていたりといったようなミスも発生しがちです。

2. 「タイプミス」の修正

「エンターテインメント」と書きたいところをタイピングを誤って「rンターテインメント」と書くように、タイピングを誤るケースは多くあります。文の中にタイピングのミスが含まれている場合に正しく修正できるかどうか評価しました。

3. 「送り仮名のミス」の修正

日本語の送り仮名は、内閣告示「送り仮名の付け方」(1973年6月)で定められています。しかしこの「送り仮名の付け方」の中には複数のルールがあるため、パソコンやスマートフォンでの入力後、意図しない送り仮名が選択されている場合があります。例えば「行う」を「行なう」と書くような場合です。この記事では一般的な出版物やテレビなどで使用されている、多くの人が読み間違わない送り仮名を使用しているかどうかを評価しました。

4. 「漢字のミス」の修正

「以外」と「意外」、「努める」と「務める」などの同音異義語の漢字を誤って使用していないかどうかを評価しました。

誤字脱字チェックツールの比較

誤字脱字チェックツールを比較した結果は以下の通りです。

比較マトリクス

今回調査した10個の誤字脱字ツールを、価格と精度の2軸でマッピングしました。全体的にAIを活用した有料の文章校正ツールのほうが精度が高く、十分なチェックができることが分かりました。

誤字脱字ツールマッピング

比較表

10個のツールの価格や精度を比較しました。精度は、満点である400pointに近いほど高い状態となります。

No ツール名 月額料金 使用環境 検知の精度
1 wordrabbit 880円/3,100円 オンライン(ブラウザ) 301point
2 Microsoft Word 1,490円/2,100円 オンライン(ブラウザ、アプリ) 20point
3 ATOK クラウド文章校正 600円 オンライン(ブラウザ) 11point
4 Shodo 1,000円/2,000円 オンライン(ブラウザ) 213point
5 typoless 2,200円/5,500円 オンライン(ブラウザ) 291point
6 Google ドキュメント 無料 オンライン(ブラウザ、アプリ) 191point
7 ChatGPT 無料 オンライン(ブラウザ、アプリ) -
8 Enno 無料 オンライン(ブラウザ) -
9 PRUV 無料 オンライン(ブラウザ) -
10 プレスリリース校正ツール 無料 オンライン(ブラウザ) 186point

 

(※)ChatGPTは入力した文に対して出力した文の言い回しが変更されてしまうため測定不可。Enno、PRUVは判定されるが修正候補が提案されない仕様のため測定不可。

有料ツール

1. wordrabbit【高精度で仕事での利用におすすめ!2週間無料】

wordrabbit

wordrabbit(ワードラビット)は、高い精度を持つ誤字脱字チェックツールです。今回調査した10個のツールの中で精度が最も高い結果で、仕事で誤字脱字をチェックするのに適しているサービスです

誤字脱字以外にも、文法、ミスタイプ、漢字の誤り、漢字とひらがなの使い分け、表記ゆれなど多くのチェック項目にも対応しています。「スタイルガイド」という禁止用語や、言葉の言いかえができる機能も標準搭載しているため、文章全体の精度を短時間で上げることができます。

項目 内容
精度 301point(400point中)
検知内容 文法、誤字脱字、ミスタイプ、漢字の誤り、表記ゆれ、漢字の使い分けなど
料金 880円(スターター)、3,100円(プロフェッショナル)
特徴 高い精度で多くの項目がチェックできる

2. Microsoft Wordの文章校正機能

word

Microsoft Wordは、マイクロソフト社のOfficeに含まれるソフトウェアです。Wordの上のほうにあるメニューで「校閲」>「スペルチェック」と選択すると、誤字脱字やスペルミスをチェックすることができます。

基本的には文章作成ツールがメイン機能のため、誤字脱字チェックの精度は高くはありませんが、文字数の制限もないため、業務ですでにWordを使用している場合には、手軽に利用することができます

項目 内容
精度 20point(400point中)
検知内容 誤り語、仮名遣いの誤り、くだけた表現、「の」の連続、助詞の連続、助詞の用法など
料金 1,490円(Microsoft 365 Personal、2,100円(Microsoft 365 Family)
特徴 検知はしても修正候補が出ない場合がある(今回のテストでは約半数以上が修正候補が出現しない検知のみの対応)。

3. ATOK クラウド文章校正

atok

ATOK(エイトック)クラウド文章校正はジャストシステムが提供する「ATOK Passportプレミアムプラン」に含まれる誤字脱字チェックツールです。1回のチェックで入力できる文章は1万文字まで。

誤字脱字チェックの精度は高くはありませんが、日本語入力システムであるATOKを利用することができるため、日本語入力システムを検討している方におすすめのツールです

項目 内容
精度 11point(400point中)
検知内容 誤字・脱字などの誤りや表記揺れ
料金 600円(プレミアム)
特徴 ATOKを導入すれば、誤字脱字チェックだけではなく入力時の変換にも使うことができる
間違えると恥ずかしい文法ミスがゼロに
文章を入力するごとに、誰でもリアルタイムで文章のミスがチェックできます。
詳しく見る

4. Shodo

shodo

shodo(ショドー)は、ブラウザ以外にもさまざまなシーンで使うことができる誤字脱字チェックツールです

クローム拡張機能、Google docsアドオンなどの機能があるので、自分のいつも使っているエディターに機能を組み込むことができます。

項目 内容
精度 213point(400point中)
検知内容 誤り語、仮名遣いの誤り、くだけた表現、「の」の連続、助詞の連続、助詞の用法など
料金 無料(ベーシック)、1,000円(プレミアム)、2,000円(ビジネス)
特徴 Googleアドオンにも対応している

5. typoless

typoless

typojess(タイポレス)朝日新聞が提供する誤字脱字チェックツールです。高精度の文章校正サービスとして、新聞がチェックしているような不適切な表現なども検知することができます。

スタンダードプランは2,200円、プレミアムプランは5,500円で利用することができます。

項目 内容
精度 260point(400point中)
検知内容 助詞、同音異義語、タイプミスなど
料金 2,200円(スタンダード)、5,500円(プレミアム)
特徴 新聞社が開発する文章校正サービス

無料ツール

6. Google ドキュメントの文章校正機能【無料ならこれ】

google

Google ドキュメントの誤字脱字チェックツールは、無料のGoogleのアカウントがあれば、誰でも利用できるツールです

無料ツールの中ではもっとも高い精度が出ているため、無料のツールを探している方はまず検討すべきツールだといえます。設定をオフにしていなければ文章上に自動で表示されるため、気軽に取り入れることができます。

参考:Google ドキュメントでスペルや文法をチェックする

項目 内容
精度 191point(400point中)
検知内容 助詞の誤り、タイプミス、漢字の誤りなど
料金 無料
特徴 表記ゆれや漢字とひらがなの使い分けなど、検知できない項目もあるが、文字数制限などもなく、無料で誤字脱字が検知できる

7. ChatGPTでの文章校正

chatgpt

Chat GPTは、世界的に利用が拡大している生成AIツールです。文章やプログラムの作成など、多くの用途で使用することができるツールで、文章の校正や誤字脱字チェックにも利用できます。

Chat GPTのインターフェースはチャット形式のため、「プロンプト」と呼ばれる指示文とともにチェックしたい文章を、チャット画面に入力します。

誤字脱字チェックのためのプロンプト

以下のようなプロンプトをチェックする文章とともに入力することで、生成AIに文章校正をしてもらうことができます。

以下の文章を校正してください。ただし、文末の「ですます調」や、言い回し、文の内容は変更せずに、文法が誤っている箇所だけ修正してください。

Chat GPTの特徴は、文章の修正が「流暢な訂正」であるという点です。プロンプトに文法修正以外は行わない旨を記載したとしても、文の意味が変わってしまうことがあるため、「厳格な文章校正ではなく、文の意味がある程度変更されるのも許容する」という方に向いています

項目 内容
精度 -(測定不能)
検知内容 助詞の修正、漢字の修正など
料金 無料
特徴 プロンプトで指示しても誤字脱字だけでなく文章自体の意味を変更する修正が行われる場合がある。1度に送信できる量に制限があるため、長文は入力できない

8. Enno

enno

ennoは無料で使える誤字脱字チェックツールです。検知されたうえで修正候補は提示されない仕様となっているため、まずは無料で試してみたい方におすすめのツールです。画面上に広告が表示されます。

項目 内容
精度 -(修正なし)
検知内容 タイポ、変換ミス、誤字脱字など
料金 無料
特徴 修正候補は提示されない。
間違えると恥ずかしい文法ミスがゼロに
文章を入力するごとに、誰でもリアルタイムで文章のミスがチェックできます。
詳しく見る

9. PRUV

pruv

PRUVは無料で使用できる誤字脱字チェックツールです。Trialの場合は無料で利用できますが、画面上に広告が表示されます。まずは無料で試してみたい方におすすめのツールです。

項目 内容
精度 -(修正なし)
検知内容 誤字脱字、慣用表現、呼応表現、ら抜き言葉など
料金 無料(Trial)、550円(Pro)
特徴 Trialプランは無料で利用できる。

10. プレスリリース校正ツール

press

プレスリリース校正ツールは、バリュープレスが提供する文章校正ツールです。検知にはYahoo!JAPANが提供するテキスト解析WebAPIを利用しています。

プレスリリース配信ツールであるValuePress!のアカウントを作成することで、1日1回(3000文字まで)無料で利用できて、さらに有料プランの場合には1日10回まで利用することができます。

項目 内容
精度 186point(400point中)
検知内容 誤変換、誤用、使用注意、不快語、機種依存、外国地名、固有名詞など
料金 無料
特徴 1日1回3000文字までの範囲で無料で利用できる

誤字脱字チェックツールを使ってより精度の高い文章作成ができる

誤字脱字チェックツールを使うことによって、短時間で正確な文章に修正することができます。特に、ビジネス領域では、より効率的にチェックすることが求められます。この記事がツールやアプリを選ぶ参考になれば幸いです。