「琴線に触れる」の意味とは

「琴線に触れる」の本来の意味は 感動や共鳴を与えることを意味する表現です。読み方は「ことせんにふれる」ではなく「きんせんにふれる」と読みます。

慣用句「琴線に触れる」の意味とは
感動や共鳴を与えること

3人に1人が「琴線に触れる」を誤って使っている

文化庁『国語に関する世論調査』(平成19年、27年)では、約3割の人が「琴線に触れる」を本来とは違う意味で使っているという結果が出ています。

「琴線に触れる 」の意味とは

調査年度 平成27年 平成19年
(ア)怒りを買ってしまうこと 31.2% 35.6%
(イ)感動や共鳴を与えること 38.8% 37.8%
(ア)と(イ)の両方 3.4% 1.4%
(ア)や(イ)とは全く別の意味 4.8% 0.6%
分からない 21.8% 24.6%

「琴線に触れる」を、本当の意味である「感動や共鳴を与えること」ではなく、「怒りを買ってしまうこと」という間違った意味で覚えている方が38.8%もいるという結果が出ています。

「琴線に触れる」は「怒りを買う」という意味ではない

3人に1人以上が「琴線に触れる」を「怒りを買う」という間違った意味で使用しています。たとえば「彼の言葉は私の琴線に触れた」「何が彼女の怒りの琴線に触れたのか」など、怒りを買う・癪に触るという意味で使うのは、よく聞く表現ではありますが誤った使い方だと言われています。

「琴線に触れる」の誤用
怒りの意味で琴線に触れるを使うのは間違った使い方

「琴線に触れる」の語源・由来

「琴線に触れる」の語源は、中国の周の時代の故事だと言われています。伯牙(ハクガ)という琴の名手には鐘子期(ショウシキ)という親友がおり、鐘子期は伯牙が奏でる琴の音を聞いただけで、 その歌の趣意や彼の心情を理解したことから、心の底から共鳴し、感動する様子を琴線に触れると言うようになりました。

琴線に触れるの「琴線」は琴の糸のことで、比喩的に人の心の奥底に秘められている感情をあらわします。心の奥にある、何かに感動・共鳴しやすい感情を琴の糸にたとえて表現しています。このような由来から、美しいものや良いものに感銘を受けるポジティブな感情をあらわしており、怒りのように不愉快になる意味では用いません。

琴線に触れるの例文・正しい使い方

「琴線に触れる」は、次のような例で使います。何か良いものに心から感銘を受けるときに使用します。

琴線に触れるの正しい使い方例
  • 彼の繊細なピアノの音色が私の琴線に触れた
  • 琴線に触れるアーティスト。
  • 心の琴線に触れる言葉が評価されている。
  • 彼の曲は琴線に触れるものが多い。
  • あなたの琴線に触れる曲は何ですか。

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慣用句は正しく使う

慣用句の中でも「琴線に触れる」は3人に1人が使い方を誤っている語です。正しく理解するには、語源を知って意味を理解することも有効です。間違えやすい慣用句を知って、誤解のない文章を書くために役立てましょう。