読みやすいインタビュー記事とは
インタビュー記事といえば、ライターや記者が取材や対談を通して聞いた話・情報をまとめた記事です。
インタビュー記事のメリットは、取材対象が有名な方であればあるほど宣伝効果が大きいことや、企業製品の導入事例などのインタビューであれば導入につながる可能性が高い点などです。インタビュー記事は、共感を得やすく言いたいことを自然に伝えることができるという効果もあります。
しかしライティングするうえでは、取材で聞いた内容をただそのまま書けばよいというわけではありません。
読みやすいインタビュー記事は、話し手の様々な話が引き出され、情報が分かりやすくまとまっています。同じ取材でも、話し手からどのような内容を聞き出し、どのように記事に整理してまとめるかで全く違った内容が出来上がります。
インタビュー記事は、取材・議事録・記事作成・確認と道のりが長く、苦労するライターの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、大変なインタビュー記事でも苦痛なくしっかりと書けるようになるための具体的な7つのステップと12個のテクニックを紹介します。
・インタビュー記事を書くコツやポイント
・情報をうまくまとめるにはどうしたらよいか
・準備から当日までの具体的な流れ
について初心者の方向けにわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
文章校正ツールを使ったインタビュー記事の文章自動チェック
企業の導入事例など、インタビュー記事に間違いがあると、企業の信頼低下につながります。しかしすべてのミスを目視で確認するのは簡単ではなく、十分に確認ができないケースもあります。
そこで活用できるのが、AI文章校正ツール「wordrabbit(ワードラビット)」です。wordrabbitを使えば、大量の文章でも、入力するだけで文法の誤りが修正されます。
例えば以下のような文章を入力すると、文法の誤りを瞬時に修正することができます。
企業が注意したい、差別的な用語もチェックすることができます。
分かりやすい日本語が求められるシーンで、手間をかけずにリーダブルな文章を作成することができます。2週間無料でお試しできるため、「より多くの人にとって読みやすい文章を書きたい」という方はぜひお試しください。
インタビュー取材記事のレイアウト
Webに掲載されるインタビュー記事を書くうえでは、デザインやレイアウトがどう組まれるのかを理解することは基本中の基本です。
Webサイトで掲載されるインタビュー記事のレイアウトは、大体決まった形をしています。紙媒体のインタビューでは、写真などのパーツの位置の自由度が高いですが、Webの記事では、どのサイトでも配置のルールがほとんど同じであることが特徴だと覚えておきましょう。
1. タイトル・題名
インタビュー記事のタイトルは記事の題名にあたる文章です。本文の内容を一言で言い表します。30文字程度が適切です。
通常、SNSでのシェアの際にトップに表示される文言や、Googleなどの検索エンジンの見出しとしても使用されるため、読み手にクリックされやすく、記事内容を一言で表現したキーワードが含まれていることが重要です。
2. アイキャッチ画像
アイキャッチ画像は見出しにあたる画像です。個人へのインタビュー記事の場合は、インタビュアーのバストアップなどの写真。企業インタビューであれば企業社屋、サービスをあらわす写真などの画像を使うのが一般的です。
SNSでのシェアの際に表示されるため、明るく目を引く画像を設定します。
3. 書き出し(冒頭文・導入文)
インタビュー記事の書き出しには、冒頭文として記事の内容を要約した文章を書きます。読み手を導入するために記事のハイライトを分かりやすくまとめます。120文字程度が適切ですが、文字数の上限は記事を掲載する媒体によって異なります。書き出しのポイントは、独自のサービス用語や社内用語は極力使わずに、どの読み手でも理解できるような一般的な言葉で書くことです。
4. シェアボタン
facebook、Twitter、はてなブックマークなどのシェアボタンです。Webの記事ではシェアボタンは記事冒頭と、記事の一番最後に配置するのが一般的です。
5. 記事公開日
読み手やGoogleなどの検索エンジンに分かりやすいように、公開日を表示します。システム側で自動で入ることがほとんどです。最近は公開日以外に更新日も入れる場合もあります。
6. 見出し
インタビュー記事の見出しとは、段落ごとに段落の内容を一言であらわした文章です。通常は10〜20文字程度です。小見出しの種類は記事を公開するメディアによって異なります。1種類の場合も、2種類やそれ以上の場合もあるので確認が必要です。
7. 本文
記事の本文の文章です。通常、文字数に制限はありません。本文の中に、例や引用をあらわすデザインが使われることもあります。
8. 写真
本文の合間に写真を挿入します。インタビュー記事であれば、1つの見出しに1枚の間隔で写真が入っていると、読み手がストレスなく読み続けることができます。インタビュー記事の場合は、インタビュー中の様子の写真や、インタビューの中で出てきた商品やサービス、図などを挿入します。
インタビュー取材記事の企画のコツ
では、実際のインタビュー記事の流れについて紹介します。
まずは、インタビュー記事の企画では、取材対象(誰に取材をするのか)、どんな内容の話を聞くのかが非常に重要です。
取材対象として誰を選ぶかを検討する
まずは取材対象を選びます。取材対象を選ぶ際には、ターゲットである読者の立場に立ち、誰の話が聞きたいかを考えます。自分がよいと思う人ではなく、読者がよいと思う人を選びます。他のメディアや記事によく出ていて、毎回同じような話をしている人の話では読み手が聞き飽きてしまうので工夫が必要です。企業コンテンツのインタビューの場合は、できるだけ具体的な話が聞けそうな人や役職者を対象とします。
取材対象として誰を選ぶかを考えるコツ
・なかなか表舞台に出てこないような人。
・メディアによく出てはいるけれど、別の切り口で話が聞けそうな人。
・話題の人、もしくは話題になりそうな人。
・製品の導入企業のキーマンなど具体的な話が聞けそうな人。
記事の内容を考える
記事の内容を考える際には、ターゲットである読み手が何を聞きたいかを考えることが最も重要だと覚えておきましょう。
インタビューというと、取材対象が話したいことを話していると思われがちですが、それでは読者が満足しません。
読者に満足してもらうためには、読者のことをよく知る必要があります。読者は何歳くらいでどんな悩みを持っているのかを知り、その人が興味を持ちそうな情報を盛り込みましょう。
記事の内容を考えるコツ
・ターゲットである読者がどんな人かを把握する
・読者の悩みを知る
・読者が興味を持てそうなことを考える
では、読み手の興味や困りごとはどのようにすれば把握できるのでしょうか。
時間があれば、直接話を聞いたり、アンケートをとってもよいでしょう。時間をとれない場合には、次のようなサービスを使ってニーズを把握するのがおすすめです。
「Yahoo知恵袋」
Yahoo知恵袋は、様々な人が悩みを質問し情報を教え合う情報掲示板です。あらゆるタイプの人のニーズを検索することができます。
「Googleトレンド」
Googleトレンドは、無料で使えるトレンドワードのチェックツールです。人気急上昇のキーワードや特定の キーワード の検索回数の推移を確認することができるので、旬のワードや、季節性のある話題の確認に向いています。
インタビューの準備
インタビューする人が決ったら、取材のオファーを行います。
インタビューのアポイントメントをとる
オファーは、取材対象の立場によって、直接本人にアプローチする場合と、誰かを経由してアプローチする場合があります。直接インタビューを依頼する場合には、メールなどの方法で連絡します。
インタビューを受ける方は忙しい合間を縫って取材時間を工面します。依頼事項は箇条書きで記載するのがポイントです。
なお、取材対象が企業などの場合には、メールに文章を記載するのではなく、正式な依頼状としてドキュメントを添付することもあります。
インタビューの依頼メールの例文
平素より大変お世話になっております。
女性向けの情報メディア「●●」のライター●●と申します。
私たちは、女性ライター向けの情報発信をテーマに5年前からWebメディアとしての発信を行なっております。多くの方にご愛読いただいており、月間100万PVという規模に拡大して参りました。
この度、新コーナーとして『若手ライターのリアル像』というコーナーの新設を企画しており、ぜひ●●様にお話をお聞かせいただければと思いご連絡させていただきました。
かねてから、1ファンとして●●様がブログやTwitterで発信されている様子を拝見しており、ライターとして独立した経緯や、リモートワークを行ううえでの工夫について、ぜひ取材させていただければと考えております。詳細については以下に纏めておりますのでご確認をお願いいたします。
■企画詳細
・メディア名:●● (https://xxx.xxxxxxx)
・コーナー名:若手ライターのリアル像
・読者層:20〜40代のライターの女性
・PV目安:5000〜10000PV
・インタビュー日程:●月上旬の1時間程度
・インタビュー場所:●●様のオフィス
・公開予定日:●月下旬
インタビューの日程や場所につきましては、●●様のご都合に沿えるように調整させていただきます。ぜひご検討いただけますと幸いです。
ご不明点などございましたら何なりとお知らせくださいませ。
質問項目を作成する
取材のオファーが無事に通り、インタビューが決まったら、できるだけ早めに詳細な質問項目を作成して送ります。事前に質問を送っておくことで、取材対象は準備をすることができるので、幅広い話を聞くことができます。
質問項目の作り方としては、まずはインタビュー対象に聞きたいことを大まかにまとめます。その後、それぞれの項目について必要があればさらに詳細に記載します。
インタビューの質問数については、内容にもよりますが1時間のインタビューであれば多くても10個以内に留めておきましょう。各質問の回答に5分かかると考えると10個で50分になります。実際には、作成した質問の全てが聞き切れないこともよくあるので、質問の中でも必ず聞きたいものは決めておきましょう。逆にインタビュー対象が話し下手な場合は用意しておいた質問では足りない場合もあります。そのような事態が想定される場合には、予備の質問も準備しておくとよいでしょう。
質問項目の例
インタビュー当日は以下の内容についてお伺いしたいと考えております。
■インタビュー項目
・ライターとして独立された経緯
・リモートワークを行ううえで苦労したことや工夫していること
……
取材人員の確保
取材人員については、取材の規模によりライター1人が全てを行う場合と、何名かのスタッフで役割を分担する場合があります。
一般的な取材人員の体制
取材:1名
カメラマン:1名
インタビュー前のリサーチ
インタビューで充実した内容を聞き出すために、以下の内容を取材対象のホームページやブログ、SNSなどでリサーチしておくことがポイントです。リサーチすると思い込みすぎてしまうという方もいますが、リサーチがないとよい情報は聞き出せません。当日の緊張をほぐすためにも役に立ちます。ただし、リサーチはあくまで事前情報ではあります。あまり思い込みすぎるとイメージがつきすぎてしまうので、柔軟に対応することを心がけます。
インタビュー前にリサーチしておくとよいこと
・取材対象の趣味や興味がありそうなこと
・取材対象が苦手そうなこと
・企業の製品やサービスについて(取材対象が個人ではなく会社の場合)
また、企業のインタビューなどで、お礼が必要な相手の場合には、3000〜5000円くらいの手土産を手配しておくとよいでしょう。
インタビュー取材当日
取材当日には、インタビュー開始時間の10分前には待ち合わせ場所に到着するようにします。インタビュー時間は限られており、その中で話を聞き終える必要があるためです。
インタビュー開始前の準備
インタビュー開始前には、できればインタビュー対象が来る前に機材をセッティングしておきます。
一般的なインタビュー機材
・PC(もしくはノートとペン)
・ボイスレコーダーやマイク
・カメラ
ボイスレコーダーは、録音した音声はインタビュー以外には使用しない旨を伝えてからセッティングしましょう。
インタビューの流れ・質問のコツ
1. インタビュー対象者の緊張をほぐす
いきなり本題に入るのではなく、緊張をほぐす話題でアイスブレイクを行います。取材対象者が万全の状態で話せるように努めます。
2. 趣旨を伝える
インタビューの趣旨や公開までのスケジュールを再度簡単に説明します。個人ではなく企業の場合は、口頭だけではなく正式な依頼状・質問状として印刷したものを手渡しすることもあります。
インタビュー前に伝えること
- メディアの簡単な紹介
- インタビューの趣旨の簡単な紹介
- 公開までのスケジュール(原稿確認の有無)
- 取材対象者が原稿修正を希望する場合の対応方法
- 録音を行うがインタビュー以外には使用しない旨
- 質問項目に沿って話を聞くが、それ以外の話もしてほしい旨
- 途中で写真を撮影する旨(撮影タイミングを伝えておく)
企業へのインタビューの場合は、広報部門の記事内容チェックが入るかどうかもあわせて確認します。
3. インタビュー取材を行う
取材を行います。事前に渡した質問の一番はじめのものからスタートしますが、質問項目通りに聞くのではなく流れを意識して、事前に渡した質問以外のものも臨機応変に聞いていくのがコツです。
ポイントは、ただ書いてあることを質問するだけではなく「それは……ということですね」のように、取材対象者が言ったことを咀嚼して繰り返すことです。
また、取材対象者が話しやすい環境を作るために、話の合間に相槌をうったり、うなずいたりしながら話を聞くことも重要です。
インタビュー中によく起こりがちなのが取材が時間通りに終わらないというケースです。時々時間を確認しながら、終了時間に配慮します。万が一延長の必要がありそうな時には、早めにインタビュイーに確認します。
インタビュー取材時のポイント
- その場の流れを大切にし、質問項目以外のことも質問する
- 取材対象者の話を咀嚼して繰り返す
- 話に相槌をうって、話しやすい雰囲気を作る
- インタビュー記事を書けるボリュームの話を聞き切る
- 時間通りに終了する
4. インタビューの写真撮影を行う
カメラマンがいるインタビューの場合には、インタビューの最中にカメラマンに撮影してもらいます。インタビュアー自身が撮影する場合には、インタビューの終わりに10分ほど写真を撮影するための時間を設けます。
インタビュアーが撮影する場合の写真撮影のポイント
- 撮影場所は、明るく自然光が入る場所を選びます。ただし、逆光は写真が暗くなるためNGです。インタビュー場所が暗い室内の場合は、明るい場所での撮影を提案します。
- 撮影時間は限られているため、カメラの設定は事前に行なっておきます。
- 写真撮影時は、撮影対象が自然な明るい表情になるよう、緊張をほぐすことが大切です。撮影され慣れていない方の場合には、工夫が必要です。緊張をほぐすためには、「写真撮影は少し緊張しますよね」など共感を示すような発言をしましょう。誰かと話してもらいながら撮影するのもおすすめです。
- 写真の構図では、日の丸写真(被写体が中央の写真)は野暮ったい印象を与えるため好ましくありません。被写体を左右に配置しましょう。
- 撮影枚数は、実際の記事の分量によるので多めに撮影(5〜10カット程度)しておきます。
- 写真を撮られ慣れていない人ほど、写り映えがどうか、とても不安です。撮影した写真の何枚かをその場で見て安心してもらいます。
5. インタビュー終了時
インタビューのお礼と、記事掲載までの流れを簡単にお伝えして失礼します。
インタビュー終了時に伝えること
- インタビューの御礼
- 原稿確認の依頼日の目安
- 記事公開までの流れを簡単に
インタビュー取材後
インタビュー取材後は、原則当日中にお礼メールをお送りします。時間を割いてもらったことへの感謝や、特によかった内容、原稿をいつ送付するかなどを書いておきましょう。この一手間が信頼関係を築くためにも重要です。
インタビュー記事の形式
インタビュー記事の記事には、対談形式・一人称形式・三人称形式という3種類の書き方があります。それぞれ文体や体裁が異なります。
1. 対談形式(会話形式)
対談形式のインタビュー記事では、インタビューした全ての情報をそのまま載せるのではなく、会話の中で抜粋した質問項目と回答のみを書きます。
情報が読みやすくまとまっていることが特徴です。
今回の新刊は、どのような層を意識して書かれたのですか?
この本は、20代の若者に向けて書いた本です。将来に不安を抱えながら毎日を過ごしている方に読んでもらえればと考えています。
インタビューした情報を一問一答でそのまま載せるという体裁をとる方法もあります。記事は長くなりますが、臨場感や人間味が出ることが特徴です。ただし、ビジネス寄りのインタビューの場合には、口語ではなくもう少しあらたまった文体をとります。エンタメ系のインタビュー記事やバズを狙った記事の場合には、口語調で「(笑)」なども用いながら自然な話し言葉で書きます。
田中:本を出版されたとのこと、おめでとうございます!
吉住:そんなに喜んでいただいて、ありがとうございます(笑)
2. 一人称形式
一人称形式のインタビュー記事では、記者の存在は伏せて、取材対象者が自ら語っているように書きます。コラムのような体裁で、読み手に親近感がわきやすいのが特徴です。
このたび本を出版しました。伝えたかったことをしっかりとまとめられたと思います。いつもお世話になっている出版社の編集さんにも感謝の気持ちを伝えたいと思います。
3. 三人称形式
三人称形式のインタビュー記事では、インタビューした内容を記者の視点で咀嚼した情報を載せます。文体は「だ、である」調のことが多く、記事内容を論理的に伝えられることが特徴です。
今回お話を伺ったのは本を出版されたばかりの吉住先生。吉住先生が今回の本に込めた想いを語ります。主人公となるのはキャリアに悩む若手女子、亜利沙。思い通りにならない人生を送ってきた。就職してかれこれ3年、会社を辞めようか悩んでいる状態だ。
インタビュー記事の書き方
インタビュー記事を書く際は、文字起こしを行う方法と文字起こしは行わずに書く方法があります。
文字起こしを行うか行わないか
文字起こしを行うかどうかは、書き方の好みやクライアントの要望にもよります。
必ず書き起こしをする必要があるわけではありませんが、必要な場合もあります。例えば企業へのインタビューで、より一語一句の事実にこだわる必要がある場合には文字起こしが有効です。文字起こしを行う場合は、文字起こしの方法を参考に、アプリやソフトウエアを使い、できるだけ自動化して素早く行います。その後、記事のライティングをスタートします。
書き方のコツ1. 流れを意識する
インタビュー記事を書く際の一番のポイントは、質問と回答が分断されずに、常に話が流れていくようなイメージで書くことだと覚えておきましょう。
世の中に出ている記事を見てみると、話が唐突で途中で分断されている記事が意外と多くあります。そのような記事の場合、読者が途中でついてこられず、最後まで読んでもらえないということもあります。
タイトルの答えが冒頭文に、タイトルを分解したものが見出しに書いてあり、見出しを分解したものが小見出しに、小見出しの答えが本文に書いてあると言った風に、構造を意識した記事を書きましょう。
書き方のコツ2. 情報を取捨選択する
取材時の会話では、話があっちに行ったりこっちに行ったりと、まとまっていないケースが多くあります。必ずしも、聞いた順番の通りに配置する必要はありません。
また、聞いた内容を全て書かないといけないわけではありません。情報を取捨選択して読者がより聞きたい内容を、読みやすい順番に並び替えて配置します。
書き方のコツ3. 聞き手の質問文で話の流れを作る
読みやすいインタビュー記事は、聞き手の質問部分を読むだけで文章全体の流れや意味が分かります。逆に分かりにくい記事は、聞き手の質問部分を読んでも何のことを言っているのかが分かりません。
悪い記事の書き方の例
聞き手 (ライター) : 仕事は交渉が必要なシーンも多いので、ぜひ交渉上手になれるポイントを教えてください!
話し手:まず環境や人間関係を把握することですね。
僕が新卒で入社した時、何も調べずに客先に営業に行って一番えらい人に「この会社って何作ってるんですか?」って言ったんですよ。
聞き手 (ライター) : え!
上記の例のように、何の前触れもなく話題が始まり、「え!」という前後の繋がりが分かりにくい質問文はおすすめできません。この文章は例えば「え!」を「目上の方に失礼なことを言ってしまうという失敗があったのですね。」のように言い換えることで読みやすくなります。
少し高度なテクニックではありますが、聞き手の質問文のポイントは、話し手の言ったことを要約しながら流れを作ることだと覚えておきましょう。
書き方のコツ4. 取材対象がかしこく見えるようにする
絶対にしてはいけないこととして、取材対象者が愚かに見えるような表現はやめましょう。そのような記事の場合、はじめは面白がって読まれても後々しこりが残ってトラブルにつながるケースもあります。
記事を書く時のポイント
- 読みやすい順番に配置し直す
- 文章全体の構造を意識する
- 聞き手の質問文で話の流れを作る
- 取材対象者がかしこく見えるように書く
インタビュー記事の校正
記事が完成した後には、取材対象者に内容を確認してもらいます。場合によっては、修正希望が入ることもあります。
修正を受け入れられないとなると、インタビュアーも気分を悪くしてしまいます。取材時に、どのような内容の修正であれば受け付けられるかを知らせておくことで、無用なトラブルを避けることができます。
インタビュー記事の公開
インタビュアーのチェックが完了し、記事が完成するといよいよ記事のリリースです。リリースされた当日には、インタビュアーにお礼の連絡を行います。
インタビュー記事の題名の付け方・見せ方
せっかくリリースされたインタビュー記事。できれば多くの人に読んで欲しいものです。
そのために大切なのが、題名の付け方です。
SNSでのシェアを意識しながら、わかりやすいタイトルにする必要があります。シェアされることを意識し、読みたくなるような情報を盛り込みましょう。
さらに、メディアのアカウントでの周知はもちろん、可能であればインタビュアー本人、インタビュアーが所属している企業にも拡散してもらうことで、読んでもらえる可能性が高くなります。
インタビュー記事の題名をつける際は、いくつかのパターンがあります。
題名のパターン1. 「人名+インタビュー」
有名な人名や企業名・特色ある部署名や役職名などの場合にはその名前を全面に出します。
題名のパターン2. 「人名+インタビュー+話し手の印象的な言葉」
インタビューの中で特に印象的だった言葉を題名に入れます。インタビューという文字の代わりに、「が語る」や「に聞いた」「の本音」など、インタビューであることが分かるような記載をすることもあります。
題名のパターン3. 「印象的な内容+人名」
人名のブランド力ではなく印象的な内容を全面に打ち出したい場合は、敢えて人名や企業名を後ろに配置するか、人名を記載しない場合もありますが、かなり高度なテクニックです。
次に、インタビュー記事の題名のNG例・OK例について、ご紹介します。OK例のほうは、シェアされることを意識したタイトルになっていることが分かります。
NG例 |
OK例 |
理想のキャリアを叶えたキャリアカウンセラーのA子さん |
30代子持ちノンキャリの私が理想のキャリアを叶えられたワケ |
体験記〜これまで学べなかったことが学べた〜 |
教育事業の成功はノーベル賞メソッドにあった |
自身が持てました!山本塾起業の経緯 |
挫折が生んだ山本塾30年の軌跡 |
インタビュー記事を書く方のためのQ&A
最後に、はじめてインタビュー記事を書く方からいただく質問をまとめました。
Q. インタビューされる人のことを何と呼べばよいですか?
インタビューされる人のことを、インタビュイーと言います。ただ、インタビュイーは一般的にそれほどメジャーな言葉ではありません。取材対象者のことを社内やチーム内でインタビュイーと呼ぶのは構いませんが、お客様や社外の人に使っても通じないことがあります。その場合は「インタビューを受けてくださる方」「インタビュー対象者」のようにわかりやすい言葉で説明することが必要です。
Q. インタビュー記事は何文字くらいで書くのが適切ですか?
文字数はあまりこだわりすぎる必要はありませんが、一般的に、簡単なインタビューであれば1400〜2000文字程度です。複数ページに渡る長編のインタビューであれば7000〜10000文字くらいになることもあります。メディアや媒体のポリシーやデザインにもよりますので、執筆するメディアに添いましょう。
Q. インタビュー記事の見本としてお手本になるものはありますか?
対談インタビューの見本(エンタメ・バズ系)
数字を持っているライターとして有名な実力派ヨッピーさん
『遊園地を温泉にするって別府市長は何考えてるの? 問い詰めてきた』
対談インタビューの見本(企業系)
東洋経済に掲載された記事
『メルカリは上場してからどう変わったのか』
二人称形式のインタビューの見本
実力派ライター村田らむさんの『芸人ヒロシがYouTubeに見つけた人生の神髄』
インタビュー記事は事前準備が重要
インタビュー記事の書き方をご紹介しました。長く、読んでもらいたい読者に読まれる記事を書くためには、丁寧に下調べをして話を引き出すこと、そして、聞いた情報を読み手に分かりやすく伝えることが大切です。「読者が本当に求めている情報」、「人の役に立つ情報」を盛り込んだライティングを行いましょう。この記事が、インタビュー記事の書き方に悩む担当者の参考になれば幸いです。