ライターのポートフォリオとは
ライターのポートフォリオとは、執筆した文章や記事をまとめた作品集のことです。「私はよい文章が書けます」とアピールするのではなく、「具体的にこんなものが書けます」という実績を伝えることが目的です。
営業力のあるライターのポートフォリオの特徴
営業力のあるライターのポートフォリオには、強みや得意分野が分かりやすくまとめられています。
クライアント企業は、日常的に多くのライターのポートフォリオを目にします。その中でも特に多いのは、書いた記事を単に羅列しただけのポートフォリオです。企業は、書かれた記事の背景やメディアの全てを知っているわけではありません。自分をうまくアピールできないことは、「相手へ伝える能力が足りないライターだ」というマイナスポイントに捉えられかねません。
ライターのポートフォリオの6つのポイント
ライターがポートフォリオを作る際のポイントを紹介します。
ポイント1. 掲載メディアの説明をする
どのようなメディアに掲載された記事なのかを記載しておきます。メディアの内容や規模などを記載することで、ポートフォリオを見る側の担当者がメディアのことを知らなくても理解できるようにするためです。
ポイント2. 担当分野を書く
ライティングのみを担当したのか、企画も行なったのか、構成や編集は別の担当がいたのかなどを補足して記載しておくことで、自分のできることやできないこと、現在の実力を伝えることができます。
ポイント3. 数字を入れる
ポートフォリオには、具体的な数値を入れます。たとえば自分が書いた記事のPV数、コンバージョン率、いいね数、SNSでのシェア数などは、「有名メディアでこんな内容の記事を書いた」という実績だけでは見えない成果を伝えることができます。PV数やいいね数を一般公表していないメディアの場合には、「他の記事の何倍」「約●万PV」などの記載でもよいので、自分が書いた記事の「反応」を数値で記載します。
PV数、コンバージョン率とは
- PV数とは、ページビュー(PageView)の数のこと。そのページが閲覧されたか回数のことです。
- コンバージョン率とは、成約率のこと。CVRとも言います。記事から制約につながったか率を表します。例えば、商品を紹介した記事から購入につながった割合や、お片づけに関する記事から家事代行サービスの予約につながった割合のことです。それぞれのメディアや記事によって何をコンバージョンに設定しているかは異なります。
ポイント4. 記事を取捨選択する
ポートフォリオで紹介する記事は厳選します。数が多すぎるとかえって印象がぼやけてしまうためです。ポートフォリオの目的は、クライアントに実力を示して採用してもらうことです。全ての記事に目を通さなくても、強みがわかるように取捨選択しましょう。
ポイント5. 情報は整理してまとめる
同じジャンルの記事をまとめたり、ジャンルごとに見出しをつけて整理し、一目で見てわかるようにします。必ずしも時系列である必要はありません。後ろの方になると見てもらえなくなってしまう可能性もあるので、見て欲しいもの・自分の得意としているものから前方に書きます。
ポイント6. ポートフォリオを定期的に更新する
チャンスが巡ってきた際にさっと出せるように、ポートフォリオは数ヶ月に1回は見直して、最新の情報に更新しておきます。
ライターのポートフォリオの作り方
ライターのポートフォリオは、自分のウェブサイトやブログで作成するケースがよく見られます。一般的な履歴書のようにフォーマットは決まっていません。
Webライターのポートフォリオの作り方
自分のウェブサイトやブログがある場合には、ウェブ上にポートフォリオのページを作成することができます。Webの構築にそれほど詳しくないという場合は、WordPressではなく、まずは無料ブログで簡単なものも検討してみてください。
ポートフォリオの掲載先
- WordPress
- はてなブログ
- note
- アメブロ
はてなブログは、SEOに強い無料ブログです。検索流入を期待することもできます。
noteは「書くこと」に特化した無料ブログです。シンプルで書きやすいエディターのためライターに人気です。書いた文章を販売することもできます。
アメブロは、昔からある無料ブログです。ユーザー数の多い巨大コミュニティで主婦や芸能人が書いています。イマドキ感は薄いかもしれませんが、安定して書くことができます。
雑誌・紙媒体のライターのポートフォリオの作り方
紙を中心に活動しているライターの場合は、執筆実績をファイリングしておいて必要に応じて提出します。ファイリングは基本的にはA4サイズで行うことが多いようです。
書いた記事をそのままファイリングしておく場合と、記事をスキャンしたものをWordなどでまとめる場合があります。記事をスキャンしたものをWordなどでまとめる方法は、執筆した記事が多い方におすすめです。複数記事をまとめて1枚の紙にまとめることもできますし、記事に対するコメントを追加することもできるので、余裕がある場合にはこちらの方法を選びます。
ライターのポートフォリオの例・サンプル
Webライターのポートフォリオの例として、NG例とOK例をご紹介します。NG例は執筆歴を羅列したポートフォリオです。対してOK例は、強みが分かりやすいポートフォリオです。
NG例「執筆歴を羅列しただけのポートフォリオ」
NG例の代表として、執筆した記事を羅列しただけのポートフォリオが挙げられます。有名メディアでない限りは、クライアントがメディアのことを知らないケースもあります。数で勝負すると実力が伝わらず、「たくさん書いたんだなあ」という印象にとどまってしまいがちです。
NG例1
NG例2
OK例「強みが分かりやすいポートフォリオ」
よいポートフォリオとは、ライターの強みが一目で分かるものです。何ができて、得意なのかを明確に記載することで、どんなことが依頼できる人なのかをイメージしやすくします。下のほうまで見てもらえるかどうかはわからないので、年代別ではなく、強みや見て欲しいものは上の方に記載します。「どのジャンルもOK」「なんでもできます」ではなく、「この分野が得意ですが他のジャンルも対応できます」という書き方を心がけます。
OK例
ポートフォリオに記載する内容
ライターのポートフォリオやプロフィールには、次のような内容を記載します。
内容の例
- 執筆したメディア名
- メディアの説明(月間100万PVの男性向けのメディアなど)
- 制作期間(約1週間など)
- 担当業務(ライティング・企画・構成・編集など)
- 成果(PV数・いいね数)
- 得意ジャンル(金融・ビジネス・旅行など)
- できること(企画・構成・編集・インタビュー・写真撮影など)
- 職歴
- 依頼料金
職歴は書くべきか
職歴については、ウェブ上に社名を出すのが憚られるようであれば、「旅行系の会社」などの書き方でも構いません。
依頼料金は書くべきか
依頼料金を公表しているかどうかは、ライターによります。決まりがあるわけではありませんが、依頼が多く届いて返信が大変といった場合には、コミュニケーションコストを下げるために、先に料金表を出しておく方法もあります。
依頼料金表の書き方例
- インタビュー記事:35,000円〜
- コラム記事:10,000円〜
- 企画〜記事執筆まで:50,000円〜 インタビュー記事は3000-4000文字目安、コラム記事は1000-2000文字の目安です。価格は参考になりますので、予算に応じてご相談に応じることもできます。ぜひお気軽にご相談ください。
ポートフォリオを作成する時の注意点
執筆した記事を無断で使用しない
執筆した記事はクライアントに無断で使用しません。ポートフォリオとして掲載してよいかは、執筆した媒体のクライアントとどのような契約を結んでいるかによります。「記名記事だからよいだろう」と、クライアントに無断で使用すると契約違反につながる恐れがあります。契約書に使用に関する記載がない場合には、クライアントの担当者にポートフォリオとして使用してもよいかを確認します。
ポートフォリオを営業ツールにする
ポートフォリオは上手に活用することで、最強の営業ツールになります。自分にできることや強みをしっかりと文章にして書くことで、クライアント企業にライターとしての魅力を伝えることができます。ライティングのこだわりや、ライターとしての長所を打ち出すことで得意分野のライティング依頼の案件にもつながります。フリーライターとしての強みが分かりやすい作品集を作り、クライアント企業へのアピールにつなげましょう。