句読点とは
句読点の読み方は、くとうてん。「くどくてん」と読む方がいますがそれは間違いです。「。」は句点、「、」は読点といいます。
句読点は、日本語の文の終わりや意味の区切りに付ける記号で、使い方には一定の決まりがあります。ここでは、句点や読点の打ち方で一般的なものを解説します。
読点の使い方
読点(、)の使い方や基本ルールを説明します。
読点とは
読点は「、」のことです。
読点を使う場所
読点は、文章を読みやすくしたり、誤読を避けて内容を正しく伝えるために打ちます。
文を区切る場所。文が切れる部分には読点を付けます。
当時の委員長、速水さんが言った。
当時の委員長速水さんが言った。
誤読を防ぐ場所。漢字やひらがなが連続する時、名詞を並列で書く時などに読点を使います。
ここで、はきものを脱いでください。
ここではきものを脱いでください。
主語のあと(主語が長いとき)。主語が長い時には、主語のあとに読点を打ちます。主語の後に読点を打つことで、主語をはっきりさせることができます。
新刊の、爆発的な売れ行きでお茶の間の話題となった緑川さんが、明日くる。
新刊の、爆発的な売れ行きでお茶の間の話題となった緑川さんが明日くる。
修飾関係を明確にする時。読点がないと意味が何重にも取れるため、読点で区切ります。
北島さんと、友達の姫川さんが、私の家まで遊びにきた。
(「北島さん」と「友達の姫川さん」の後を読点で区切ることで、遊びに来たのは二人だと判断できます。「北島さんと、彼女の友達の姫川さんが、私の家まで遊びにきた」とすることでさらに分かりやすくなります)
北島さんと友達の姫川さんが、私の家まで遊びにきた。
(「北島さんと友達の姫川さん」が一人で、私の家まで遊びにきたことが分かります。「姫川さんが私の家まで遊びにきた。彼女は北島さんの友達です」とすることでさらに分かりやすくなります)
北島さんと友達の姫川さんが私の家まで遊びにきた。
(家まで遊びにきたのが誰なのかが、すぐには判断できません)
名詞を並列で書く時。名詞をいくつも並べて書く場合には、間に読点を付けます。
山も、川も、谷も全てが美しい。
山も川も谷も全てが美しい。
読点を使わない場所
読点は、打ちすぎても少なすぎても文が読みにくくなります。次のような位置の場合には、一般的には読点を付けません。ただし読点をどのように使用するかは、原則書き手の自由に任されます。
主語が短い場合。主語が短い場合には、読点をつけると煩わしくなってしまうため、主語のあとでも読点を付けなくても違和感はありません。
その情報は信頼できない
その情報は、信頼できない
なお・またなどの接続詞のあと。「なお」「また」といった接続詞のあとでも、原則読点を付ける必要はありません。「なお」「また」といった接続詞の多用は文章中ではあまり好まれません。
また彼はこうも言った。
また、彼はこうも言った。
接続詞のあとに読点を打つかどうかに関して、文法上は打っても打たなくても誤りではありません。句読点の正式な使用法は1946年に文部省(現、文部科学省)が『くぎり符号の使ひ方』にまとめています。そこでは、その文章を口に出した時の言葉の様子である「口調」によって読点を省略するとあります。実際に打つべきかどうかは文章で伝えたいイメージによるのです。さまざまな意見がありますが、接続詞の後に読点が入ることで、話しながら考えている印象になりがちだという指摘(『新しい文章力の教室』唐木元など)や、そもそも「そして」などの接続詞を使うこと自体が、小学生のような稚拙な印象を産む原因になるという指摘(『伝える力』池上彰)もあります。
かぎ括弧の前後。かぎ括弧の前後には読点を付ける必要はありません。
今後の進め方については「技術担当に確認します」と述べた。
今後の進め方については、「技術担当に確認します」と述べた。
読点の使い方をまとめると、次のようになります。
読点の使い方やルール
- 読点は「、」のこと
- 主語が長い場合、名詞を列挙する場合などは間に読点を付ける
- 読点を使いすぎると文が読みにくくなるので、必要ない場面では使用しない
句点の使い方
次に、句点について解説します。句点は読点に比べるとルールが少なく分かりやすいので間違えることは多くありません。
句点とは
句点は「。」のことです。
句点を使う場所
句点は文の終わりに付けます。ただし、かぎ括弧の中に句点がある場合には、句点を付けなくてもよいことがあります。
句点を使わない場所
かぎ括弧の文末。かぎ括弧の文末には句点を使いません。
「この文章は未完成だ」
「この文章は未完成だ。」
かぎかっこの直前に主語があり、述語が省略されている場合には、かぎ括弧の外に句点を付けます。例えば、次のような場合です。
彼は一言「この文章は未完成だ」。
丸括弧の文末。丸括弧の中の文には句点を使いません。
(説明を参考にします)
(説明を参考にします。)
丸括弧の中身が部分的な注釈の場合には、丸括弧のあとに句点を付けることがあります。例えば、次のような場合です。
開催は24日(日本時間25日)。
丸括弧の中身が文章全体の注釈、筆者名、クレジットなどの場合は、かっこの前に句点を付けることがあります。例えば、次のような場合です。
彼らは良質のコンテンツ制作で成功を収めた。(編集部 田中緑)
新聞や書籍などの一般的な文章ではかぎ括弧や丸括弧の文末に句点を使いませんが、教科書の場合には「おはよう。」といったように、カッコの中の文末にも句点を使います。参考:「くぎり符号の使ひ方」
句点の使い方をまとめると、次のようになります。
句点の使い方やルール
- 句点は「。」のこと
- 句点は文の終わりに付ける
- かぎ括弧や丸括弧の文の最後には句点は必要ない
句読点は意図を持って使う
句読点は、たくさんつければ読みやすくなるわけではなく、適切な位置で使用します。句読点の正しい使い方を覚えて、読みやすい文章のライティングにつなげましょう。
さらに詳しく:『プロフェッショナルライティングガイド』