間違いやすい敬語の例
文章や書き言葉で特に間違いやすい敬語をご紹介します。
誤った敬語 | 正しい敬語 |
---|---|
●●様御中 | ●●様/●●御中 |
御社 | 貴社 |
お世話さまです | お世話になっております |
●●のほう | (不要) |
●●になります | でございます |
ご覧になられる | ご覧になる |
おっしゃられる | おっしゃる |
すみません | 申し訳ございません |
了解いたしました | 承知いたしました |
ご教授 | ご教示 |
様御中
様と御中は同時に使いません。個人にあてる場合は様、団体や組織の中の誰かにあてる場合には御中を用います。
山下様御中 いつも大変お世話になっております。
山下様 いつも大変お世話になっております。
御社
御社は話し言葉、貴社は書き言葉で使います。また、御社様や貴社様という表現は二重敬語です。
御社のソフトを使用しています。
貴社のソフトを使用しています。
お世話さまです
「お世話さまです」はご苦労様ですと同じ意味を持ち、目上の方には失礼にあたります。
お世話様です。昨日のお打ち合わせではありがとうございました。
お世話になっております。昨日のお打ち合わせではありがとうございました。
〜のほう
「〜のほう」はもともと方角を指し示す言葉で、丁寧の意味ではありません。
期限のほうは間に合いそうです。
期限は間に合いそうです。
〜になります
「〜になります」はものごとが変化した際に使う言葉です。
今回のお見積りは、50万円になります。
今回のお見積りは、50万円でございます。
ご覧になられる
「ご覧になられる」は「ご覧になる」と尊敬の助動詞「られる」の二重敬語です。正しくは「ご覧になる」です。
先日ご覧になられた原稿ですが、1点修正がございます。
先日ご覧になった原稿ですが、1点修正がございます。
おっしゃられる
「おっしゃられる」は「おっしゃる」と尊敬の助動詞「れる」の二重敬語です。正しくは「おっしゃる」です。
中村様のおっしゃられた納期で承ります。
中村様のおっしゃった納期で承ります。
すみません
「すみません」は謝罪の意味の他に感謝・依頼の意味をあらわす丁寧語ですが、ビジネスで目上の方に対しては「申し訳ありません(ございません)」を使います。
すみません。返信が遅くなりました。
申し訳ございません。返信が遅くなりました。
了解いたしました
「了解いたしました」は丁寧語ではありますが、目上の方に対しては丁寧語ではなく「承知いたしました」という謙譲語を使います。承知致しましたの別の言い方として、「承りました」や「かしこまりました」があります。
納品は金曜とのこと、了解いたしました。
納品は金曜とのこと、承知いたしました。
ご教授願います
ご教授もご教示も書き言葉です。「ご教授」は専門的なスキルや技術の指導を幅広くお願いする場面で使い、「ご教示」は特定の項目について教えてほしい場面で使用します。
以上3点についてご教授願います。
以上3点についてご教示願います。
間違いやすい敬語は覚えておくとよい
間違った敬語表現は、目上の方に対して失礼にあたってしまったり、ビジネスでの印象を悪くしまったりすることにつながります。書き言葉や文章では、表情やニュアンスでフォローができないため、些細な間違いがイメージに影響することもあります。疑問に感じる言葉があれば確認して、よく登場する敬語は覚えておきましょう。