表記ゆれ(表記揺れ)の基本とは

表記ゆれとは、同じ意味や同じ音を持つ言葉が、異なる方法で書かれることを指します。例えば、「ユーザー」と「ユーザ」、「3」と「三」といったように、同じ文章に2通り以上の書き方が混在することを、「表記ゆれがある」や「表記がゆれている」というように表現します。

表記ゆれがもたらす影響:ビジネスとコンテンツへの影響

表記ゆれは文章のクオリティに影響を与えます。大半の読み手は、表記ゆれを見つけたとき「文章のミス」だと認識します。企業のブランドイメージで「質の高さ」や「丁寧な対応」「最先端のサービス」「専門性」などを打ち出している場合、コンテンツの細部に小さなミスがあることは、信頼性や専門性を損なうことにつながります。そのため、ビジネスにおいては、表記のばらつきは放置せず、統一したほうがよいと考えられます。

表記ゆれの種類と例

表記ゆれには英語と日本語、カタカナ、数字、全角・半角など、いくつかのパターンがあります。以下でそれぞれの特徴や例について紹介します。

1. 「英語と日本語」の表記ゆれ

1つ目は、英語と日本語の表記ゆれです。例えば「wordrabbit」と「ワードラビット」、「Excel」と「エクセル」のように、同じ用語を書くときに英語と日本語の表記が混在することがあります。特によく見られるのが、製品名や社名の表記ゆれです。例えば以下のような例がよく見られます。

英語表記 日本語表記
Excel エクセル
PowerPoint パワーポイント
Chrome クローム
Oracle オラクル
Microsoft マイクロソフト

2. 「カタカナ同士」の表記ゆれ

2つ目は、カタカナ同士の表記ゆれです。例えば「ユーザー」と「ユーザ」などです。

ただし、カタカナ同士の表記ゆれに関しては、表記が揺れているカタカナをどちらか一方に統一するだけでは不十分です。まずは「イタリア」などのように公式な表記があるカタカナは公式な表記を採用します。次に「メイン」のようにより主流な表記がある場合も主流な表記を採用します。最後に「スピーディ」と「スピーディー」のように表記にゆれがあるものをどちらか一方に統一します。

表記にゆれがあるカタカナの例としては、以下のようなものがあります。

カタカナ表記 カタカナ表記
スパゲティ スパゲッティ
ユーザー ユーザ
アメーバ アミーバ
スピーディ スピーディー

※参考 内閣告示「外来語の表記(1991年6月)」

3. 「漢字とひらがな」の表記ゆれ

3つ目は、漢字とひらがなの表記ゆれです。例えば「ご案内」と「御案内」のように、漢字とひらがなが混在するケースです。

漢字とひらがなについては、どちらか一方に統一するだけでは不十分で、まずは漢字とひらがなの使い分けを行ったうえで、次に漢字でもひらがなでも書ける語については表記をどちらかに統一する方法が、多くの人にとって読みやすい文章につながると考えられます。

漢字とひらがなの使い分けとは、常用漢字表にある漢字は漢字で書いて、それ以外はひらがなやカタカナで書くということです。このようなルールは、新聞社や出版社で広く採用されているもので、より多くの人にとってなじみのある書き方だと言えます。詳しくは「漢字とひらがなの使い分けルールと最適なバランス」でご確認いただけます。

漢字でもひらがなでも書ける語で表記ゆれが発生しやすいものとしては、以下のような例が挙げられます。

漢字表記 ひらがな表記
子供 子ども
われ

4. 「洋数字と漢数字」の表記ゆれ

4つ目は、洋数字と漢数字の表記ゆれです。例えば「4人」と「四人」のようなゆれです。

このような洋数字と漢数字については、企業ごとやメディアごとに方針を決めてどちらか一方に統一したうえで、慣用表現などの決まった言い方は例外として漢数字で書きます。例えば新聞などの出版物では、原則として洋数字を使用していますが、「一石二鳥」「一人一人」などの慣用表現は漢字で書きます。

新聞等の出版物で洋数字で書く数字としては、以下のようなものがあります。

洋数字で書くもの
年月日 2023年11月11日
時間 15時30分
年齢 40歳
人数 15人
個数 50個
高さなど 50メートル
割合 45%

一方で漢数字で書く慣用表現としては、以下のようなものがあります。

漢数字で書く慣用表現
熟語 三権分立、一人二役、一人一人
数字としての意味が薄れた用法 一日も早く会いたい
歴史的な用語 二・二六事件、第五福竜丸
文化的な用語 七五三
運動などの用語 二塁、三振、三段跳び

5. 「全角と半角」の表記ゆれ

5つ目が、数字・記号・英字の全角・半角の表記ゆれです。例えば「4(全角)」と「4(半角)」のようなケースです。

このような数字・記号・英字については、企業ごとやメディアごとに方針を決めたうえで全角・半角のどちらか一方に統一します

例えば「全体的に全角を使う」と定めるケースもありますし、「数字が1桁の場合は全角、2桁以上の場合は半角」といったように定めるケースや、「この記号や全角で、この記号は半角」のように定めるケースもあります。いずれを採用するにしても、全体的に一貫したルールで統一することが望ましいといえます。

種類 全角表記 半角表記
数字 4 4
記号 !
英字 Samplejp samplejp

6. 「送り仮名」の表記ゆれ

6つ目が、送り仮名の表記ゆれです。送り仮名の表記ゆれを統一するには、単にどちらか一方の表記に合わせればよいということではなく、内閣府で定められている「送り仮名の付け方」にある「本則」「許容」「例外」などのルールのうち、どのルールにのっとって書くかを選択して、そのルールに合わせて書く必要があります

例えば新聞で使われている送り仮名は「本則」というルールにのっとって書かれています。一方で「許容」というルールは採用していません。

しかし公的な文章である公用文では、同じく「本則」というルールにのっとって書かれていますが、「許容」というルールの一部を採用しています。

送り仮名についてさらに詳しく確認したい場合には「正しい送り仮名の原則」でご確認いただけます。

表記ゆれのチェックポイント一覧

人の目で表記ゆれのチェックを行う場合、特に以下のような用語に注意することによって効率的に確認を行うことができます

観点 ポイント
英語と日本語 製品名、社名などに表記ゆれがないか確認する
カタカナ同士 伸ばし棒の有無、詰まる音(ッ)の有無などを確認する
漢字とひらがな 漢字でもひらがなでも書ける語は閉じる・開くを確認する
洋数字と漢数字 洋数字で書く語は洋数字で、漢数字で書く語は漢数字で書く
全角と半角 数字・記号・英字の全角・半角を確認する
送り仮名 送り仮名の付け方のルールにのっとって書く

文章校正の現代風アプローチ:AIツールの活用

これまでにご紹介したように、表記ゆれには多くのパターンがあり、従来の目視による確認では、細かな違いを全て捉えるには労力と時間がかかります。しかし、技術の進化は、このプロセスを大きく変革しました。最新のAI文章校正ツールを活用することで、これらの課題を効率的に解決することができるようになりました。

AI文章校正ツールのメリット

そこで検討したいのが、AI文章校正ツールの活用です。AIツールは時間の節約に直結します。編集者やライターは、マーケターや広報担当者は校正作業に費やす時間を大幅に削減できて、その分クリエイティブな作業や他の重要な業務に集中できるようになります

AI文章校正ツールのメリット

  • 目視で気がつかないような表記ゆれもチェックできる。
  • 表記ゆれチェックに関わる業務工数を削減できる

AI文章校正ツールの機能

また、AI文章校正ツールは、複雑なアルゴリズムと自然言語処理技術を駆使して、文章中の表記ゆれを迅速かつ正確に特定します。人の目では見落としがちな細かなミスも検出できるため、文書の品質を向上させることができます

AI文章校正ツールの機能

  • 校正する担当者自身が表記ゆれだと気づいていない用語まで自動的に検知できる。
  • 毎回チェックするような製品名などを用語集に登録することによって、毎回行うチェックの手間が省ける

このようにAIツールは、現代の文書作成プロセスにおいて、文書の品質向上と作業効率化の両方を実現するものです。

表記ゆれチェックツールの選び方と活用法

表記ゆれチェックツールを使うことは、ビジネス向けに高品質な文章を効率的に作成することに影響します。それでは、どのような点に注目してツールを選べばよいのでしょうか。考慮したい要素は以下の通りです。

表記ゆれチェックツールの選び方

  • 自動学習機能の有無。ユーザーが一つ一つの表記ゆれを手動で登録することなく、システム自身が学習して表記の揺れを自動的にチェックできる能力を持っていることによって、時間を大幅に節約し、文書の一貫性を効率的に保つことができます。
  • カスタマイズ可能な用語集。業界やプロジェクト固有の専門用語を追加できる機能は、ツールの効果を大きく高めます。独自のニーズに合わせて用語集をカスタマイズすることで、より正確な校正が可能になります。
  • 語の活用形に対する対応。完全一致する用語だけでなく、その語のさまざまな活用形にも対応できる機能は柔軟性を高めます。文書の校正プロセスをさらに洗練させ、さまざまな文脈で一貫性を保つのに役立ちます。

特に「語の活用形に対する対応」は、実際の校正作業において欠かせない要素です。多様な文脈や文章スタイルに対応する能力は、校正作業の質を格段に高め、あらゆる文書での一貫性と専門性を確保します。

これらのポイントを念頭に置き、ツールを選定することで、効率的かつ高品質な文書校正作業を実現することができるでしょう。

AI文章校正ツールを使った「表記ゆれ」の効果的なチェック方法

wordrabbit

「表記ゆれ」を効果的にチェックしたい場合におすすめなのが、高精度のAI文章校正ツール「wordrabbit(ワードラビット)」です。wordrabbitを使えば、文章を入力するだけで表記ゆれの一覧と修正候補が提示されます。

実例:文章校正ツールを使って「表記ゆれ」をチェックする

実際に、文章校正ツール「wordrabbit」を使って文章の表記ゆれをチェックする様子をご紹介します。

まずは以下の画像のように、文章を画面上に貼り付けると、「Web」と「ウェブ」に表記ゆれが発生していることが検知されます。

実際の修正例

カードでどちらの表記を採用するかを確認して、「修正」ボタンを押すと、表記ゆれをまとめて修正することができます。

実際の改善例

修正を反映すると、以下のように表記ゆれのない文章が完成します。「Web」と「ウェブ」の表記ゆれはもうありません。

実際の改善例

まとめ:ツールを活用して表記ゆれを徹底的にチェックする

表記ゆれとは何か、どういった種類があるのかを取り上げました。文章の中に表記ゆれが存在することによって、特に意図を正確に伝える必要があるビジネス文書などでは読者が内容を正しく理解するのが難しくなることがあります。組織内で一貫した表記を保ち、クリアで理解しやすいコミュニケーションを目指すには、表記ゆれを発見して修正することが大切です

しかし表記ゆれには多くのパターンがあり、人の目で確認するには限界があります。そこで活用できるのが、AI文章校正ツールです。高度な技術を備えた文章校正ツールは、手間のかかる校正作業を効率化し、文章の品質を向上させて表記ゆれをチェックするプロセスを大幅に効率化することができます

2週間無料で利用できるAI文章校正ツール「wordrabbit(ワードラビット)」を積極的に活用することで、表記ゆれのない、一貫性のある高品質な文書を目指しましょう。