ライターの仕事内容

ライターの仕事は、文章や記事を書くことに加え、企画・取材・調査なども含まれます。文章力に加えて、コミュニケーション力や情報整理力も求められる仕事だと言えます。書いた文章は、Webメディア・雑誌・新聞・書籍などに掲載されます。

1. 事前準備・企画を立てる

企画内容を理解します。読者のニーズや編集者が求めている内容をヒアリングした上で、記事の準備に必要なものを考えます。ライター自身が企画を立てるケースもあります。

2. インタビュー取材や調査で情報を集める

記事を書くために必要となる情報をリサーチしたり、インタビュー取材を行ったりします。編集者がインタビューを行い、その内容をライターがまとめる場合もあります。

3. 集めた情報を文章にまとめる

記事のライティングを行います。調査した内容を1000〜5000文字など、ある程度決まった文字数の範囲で執筆します。ライター自身が画像の選定を行う場合もあります。記事が完成したら編集者の確認を受け、必要に応じて文章を修正したら完成です。

ライターの仕事の種類

ライターは仕事の内容や、掲載場所によっていくつかのタイプに分類できます。ライターの種類は次の図のように、文体・書く場所・ジャンルによって分類できます。

ライターの仕事の種類

ジャンルを前面に打ち出して、「医療ライター」のような呼び方をすることもあります。

ライターの種類 仕事内容
医療ライター 医療や病気、けがや予防に関する記事を書く仕事。医療ライターになるには医学や看護に関する資格や経験があるとよい
ゲームライター ゲームの攻略方法、ゲームイベントなどの記事を執筆する仕事。ゲームライターになるには、ゲームに関する豊富な知識が求められる
音楽ライター ライブのレポートやアーティストの記事を書いて紹介する仕事
映画ライター 新作映画や名作、アニメ映画作品の内容を記事にして紹介する仕事
旅ライター(トラベルライター) 海外・国内の観光地や名所を旅行する人たちに向けて文章情報を届ける仕事
金融ライター 金融・保険・通貨・銀行などの記事を書く仕事
美容(コスメ)ライター 化粧品・ダイエットなど美容に関する記事を書く仕事
パチスロライター パチンコの記事を書く仕事
英語ライター 英語媒体で様々なジャンルの文章を書く仕事
スポーツライター スポーツ観戦、試合などの実況や取材記事を執筆する仕事
サッカーライター スポーツの中でも特にサッカーの試合や選手監督へのインタビュー記事を執筆する仕事
雑誌ライター 雑誌・情報誌(科学誌・ファッション誌など)に特化して記事を書く仕事
アカデミックライター 専門的な研究などの論文を専門として書く仕事
求人ライター 求人メディアで、企業に代わって求人情報を書く仕事
取材ライター インタビューや取材をメインで執筆する仕事

Webライターとは

Webライター(ウェブライター)とは、Webに掲載する文章を書くライターです。Webライターは、PCやスマホに最適化されたWebメディアに掲載するための文章を書きます。

Webライターになるには

Webライターになるには、特別な資格や学歴は必要ありません。未経験や初心者でも、ライティングに関する資格ライターに役立つ本などで勉強したり、著作権などの基本的なルールを学んだりしながらWebライターになる方法もありますが、スキルや経験が不足している場合は収入がかなり少なくなるという傾向があるようです。

ライターになるには

ライターになるには、フリーランス・正社員・副業といった働き方があります。中でも多数いるのがフリーランスでライティングを行うフリーライターです。正社員の場合は安定した職に就くことができますが拘束時間が長く、フリーライターの場合は仕事は安定しませんが自由度が高いという違いがあります。

フリーライターの仕事とは

フリーライターとは、フリーランスで仕事を受託するライターのことです。フリーライターの仕事は、編集者や企業から依頼された記事の執筆や取材を行うことです。

企業に属さずに個人事業主として仕事を行うため、執筆以外に営業や、経理なども自分で行います。

フリーライターの仕事の探し方

フリーライターが仕事を獲得する際には、人脈営業で依頼を受ける方法があります。新しく始める場合には、クラウドソーシングなどのサイトを使うケースもあります。

案件を獲得するために営業を行う必要があるため、メディアの求人に応募したり、人づてで仕事を得たりします。

フリーライターになるには【5つの始め方】

フリーライターになるには、個人事業主のフリーライターになる方法があります。どれか1つの方法に絞るのではなく、いくつかの方法を組み合わせてはじめてみるのがおすすめです。

1. 在宅でライターの仕事をはじめる方法

「主婦でライターの仕事をはじめたい」「ママで忙しいので時間がある時だけ在宅ワークがしたい」という女性におすすめなのがこの方法です。全くの未経験からライターになるには、クラウドソーシングなどネット上での仕事で文字単価1円以下の仕事を受けて、実績を積みながら単価を上げていくという方法があります。

メリットは、初心者でもネットでスキル不要の案件に挑戦できるという点です。デメリットは、単価が低いので一般的な最低時給を下回ってしまうことがある点です。またライターの仕事には、最低限、スマホではなくパソコンが必要となる点には注意が必要です。

2. ブログで発信してライターになる方法

フリーライターになるための2つ目の方法は、自分のブログを立ち上げて自分が書きたいジャンルの記事を発信する方法です。

メリットは、SNSでの発信もあわせて行うことで、執筆実績を見て仕事の依頼や受注につながる可能性がある点です。デメリットは、続けなくては見てもらえないことや、依頼につながらないことがある点です。

3. メディアの求人に応募してライターになる方法

ライターになる3つ目の方法は、フリーライターを募集しているメディアに応募する方法です。

たとえば有名メディアである『新R25』『ロケットニュース』『弁護士ドットコム』などでも通年でライター募集を行なっています。(2020年現在)

メリットは、メディアでの執筆実績が積めるという点です。デメリットは、完全な初心者で特徴がない場合は、応募しても採用につながらないことがある点です。

4. 副業でライターになる方法

現在本業のある方は、副業ライターになる方法があります。副業ライターとは、本業で収入を得ながら、空いた時間で副業としてライターの仕事をすることです。

副業ライターになるには、ライターを募集しているメディアに応募して副業ライターとして活動の幅を広げていく方法や、Webライターやフリーライターとして、クラウドソーシングで活動する方法があります。

メリットは、収入だけではなくスキルアップを目的としてライターが行えるという点です。逆にデメリットは、時間のマネジメントが難しい点です。

5. 学生ライターからはじめてみる

学生であれば、学生ライターとしてアルバイトやインターンからはじめる方法があります。「学生ライター」の肩書きを生かして、学生目線のライティングを行ったり、SNSで情報を発信したりすることで、数万人のフォロワーを持つライターやインフルエンサーを目指す方法もあります。

ライターの給料

ライターが仕事で得られる給料は、平均年収にして259万円という結果が出ています。平均すると決して高い収入とは言えませんが、1日の勤務時間は8時間未満と時短で働く人が半数以上のため、時間あたりにすると高い方もいます。

また、1記事あたり10万円以上の原稿料を稼ぐフリーライターも存在します。フリーライターとして高収入を目指すのであれば、『ライターの収入』で解説しているように、しっかりと実力を身につけて企業が欲しい人材になることが大切です。

ライターの仕事の魅力とは

これまでの説明で、ライターは簡単になれるものではなく、仕事がつらそうというイメージを持たれた方も多いのではないでしょうか。実際に、ライターの仕事は大変なのでしょうか。

ライターの仕事はきついのか?

ライターの仕事は、実際のところ、仕事が受注できない時や失敗した時にはストレスがたまってつらいという声も聞かれます。クライアントが求める文章が書けず、やりなおしばかりできついと感じる場合もあります。

魅力は自由な働き方

在宅でフレキシブルにできる仕事のため、時間の制約が少なく働きやすいという魅力があります。文章を書く仕事はパソコンさえあればリモートワークで行いやすい仕事のため、社員でもフリーライターでも関係なく、時間や場所を自由に選べる柔軟な働き方ができるメリットがあります。

また、文章力を生かして経験を積むことができるため、スキルさえあれば高収入を見込むことができるという魅力もあります。

ライターに求められる6つの能力

ライターには基本的な日本語の能力や、構成力、企画力などが必要です。いくつかの能力を組み合わせることで、安定的な仕事につなげることができます。

1. 文章力

ライターには基本的な日本語の文章力が必要です。ライターは文章を書く仕事であり、日本語を読み書きするのが苦手という方は、ライターにはあまり向いていないと言えます。

ただし、苦手と下手は違います。日本語や国語が苦手だからこそ、わかりやすい文章が書ける方もいます。他人の書いた文章を読むのが好きな方や文章にこだわりがある方は、ライターに向いていると言えるのかもしれません。

2. 構成力

構成力とは、文章を組み立てる力です。建築物を立てる際の設計図のように、文章には構成が大切です。

3. 企画力

メディアでは、企画が通ると記事になります。「こんな記事がニーズがありそうだ」「こんな人のインタビューがバズるのではないか」といった企画を立てる力は編集者だけではなく、ライターにも必要です。日々ニュースや最新のトレンドへの理解や、世の中のニーズに対するアンテナの高さが求められます。

4. 法律知識

記事を書く時には著作権や肖像権を理解しておく必要があります。また、美容や医療に関する記事を書くなら、薬機法への理解も求められます。

また、フリーライターとして仕事を請け負うならば、業務委託契約書下請法についても知っておくと仕事がやりやすくなります。

5. 理解力

ライターは相手が言いたいことを、分かりやすく代弁する仕事です。クライアントからよく聞かれる意見として「作家のようなライターは依頼しにくい」という声があります。ライターは自分の言いたいことを言うのではなく、人が言ったことをまとめる仕事だからです。記事で取り上げる内容に対する理解や、クライアントの表現したいものに対する理解を前提として、記事を書きます。

6. PV・アクセス数を稼ぐ力

PV(ページビュー数)・アクセス数を稼げるライターはクライアントから重宝されます。メディアの目的にもよりますが、数字にコミットできるライターは非常に少なく、高いコストを払う価値がある魅力的なライターです。

有名Webライターの一覧

これからライターを目指す方は、どんなライターを真似したらよいのかも気になるところかと思います。参考として、有名ライターの一覧をご紹介します。ここにあげた方々は、バズる記事を書けるWebライターとして不動の地位を築いていらっしゃいます。

Webライターで有名な方

どのライターの方も文章力のみならず、企画から執筆までを行うスペシャリストです。Webライターとして高収入を得ることを目指している方は一度テクニックや企画力を参考にしてみてはいかがでしょうか。

ライターの仕事に将来性はあるのか

Webメディアの急激な増加によって、ライターの仕事は増加しています。旧来のライターの仕事は、雑誌や書籍などの紙媒体がメインでしたが、インターネットの発達でライターの活動の場は増えています。

Webメディアで活動するライターは未経験者や初心者も多いことから、紙媒体でしっかりとした文章を執筆した経験のある方は重宝されることがあります。

さらに、ライターというと文章を書くことがメインの仕事ですが、ニッチな分野の知識がある、紙媒体での執筆経験が豊富、PVが集められるというライターは企業からのニーズも高く、これらのスキルもあわせて身につけることができれば、ライターとして大きく成長できる可能性があります。

実力をつけていくことが大切

ライターになるには特別な資格やスキルは必要なく、誰でもライターを名乗ることはできますが、稼げるライターになるにはしっかりとした仕事の探し方を身につける必要があります。Webライターやフリーライターの仕事は、人気がありますが続けていける方は一部です。実際に、初心者や未経験からフリーライターになっても、単価を上げられずに辞めてしまうケースも見られます。これからライターの仕事を探す方は、様々な選択肢を検討してみてください。