1. 小論文の基本
小論文とは、試験のために書く短い論文です。作文や論文とは目的も書き方も異なるため、「これまで作文しか書いたことがない」という方は、作文とはいくつかの点で違いがあることを理解することで、小論文の全体像を把握しやすくなります。
1-1. 小論文と作文との違いは「論理性」
作文と小論文との大きな違いは、小論文には論理的な文章構成が必須となるという点です。
作文は、小学生や中学生が国語教育の一貫で書く文章です。「思ったこと」「感じたこと」などを自由に書くことが求められ、論理性はそれほど必要とされていません(※)。一方で小論文は、大学入試や社会人が行う試験に合格することを目的に書く文章です。「小論」という文字が入っていることからも分かるように、論文のような「主張やその根拠が明確に書かれている文章」が評価され、主観的な文章は評価されません。
そのため、作文の書き方の延長線上で小論文を書くことはできません。作文と小論文は全く異なる目的で書くため、「作文<小論文<論文」の順で、より客観的で、具体的な理由が示された内容が求められる(反対に感情的、主観的な内容は求められない)というイメージを持つと感覚がつかみやすくなります。
「ですます調」を基本の文体とする作文とは異なり、小論文では「である調」で書くのが基本であることも理解しておきましょう。
種類 |
目的 |
内容やテーマ |
論理性 |
基本の文体 |
作文 |
文章表現の基礎を養う |
生活の出来事、自分の考え、要約など |
明確には求められない |
ですます調 |
小論文 |
試験に合格する |
学校や企業が指定するテーマ |
求められる |
である調 |
論文 |
研究成果を論証する |
筆者が設定するテーマ |
強く求められる |
である調 |
(※)篠原京子「学習指導要領からみる小学校「書くこと」の変遷に関する一考察」によると、小学校の作文では以前と比較すると、書くことを通して言葉による論理的思考力・表現力の育成を目指す方向へ変化しつつあります。
1-2. 小論文の種類は大きく2種類
小論文には、テーマ型と課題文型の2種類があります。それぞれ傾向が異なるため、自分が受験する小論文がどちらのタイプか大まかに理解しておきましょう。
テーマ型は、設問に応じた文章を書く出題形式です。「〜についてあなたの考えを述べなさい」「現代の家族のあり方について、あなたの経験を踏まえて書いてください」のような出題が行われます。
一方、課題文型は課題文を読んだうえで意見を求められる出題形式です。文章や資料を踏まえて「この文章を要約しなさい」「この文章を踏まえて、〜の意義についてあなたの考えを述べなさい」「資料を分析して問いに答えなさい」のような出題が行われます。どちらかというと課題文型のほうが文字数が長い傾向があります。
1-3. 学習の前に理解しておきたい「小論文の採点基準」
小論文の採点は、大きく分類して「問題の理解」「論理性」「文章力」の3つの観点で行われます。この3つの軸を理解しておくことによって、採点者が重視するポイントを押さえながら学習を進めることができます。試験によって採点基準が公表されている場合もあるため、事前に把握しておくと道筋が立てやすくなります。
1. 問題の理解。小論文で最も重要なのが、出題された課題や設問の題意を正しく理解することです。問題を読み解いて、問われていることに対する明確な回答を記載する必要があります。
2. 論理性。小論文は論理的であることが求められます。論理的な文章とは、設問に対して説得力のある意見が示されている文章です。具体的なデータ・客観的な意見・あり得る反論などの根拠を書くことで説得力を高めることができます。
3. 文章力。正確な文章である必要があります。不正確な文法や漢字・ひらがな、文体の不統一などは減点につながります。指定されている文字数がある場合、文字数を超えたり、少なすぎたりしても減点の対象となります。指定文字数の9割を目安に書きましょう。
2. 小論文の型は「序論・本論・結論」
小論文を書く際には「型」に則って書きます。「型」とは文章の流れのパターンです。文章には「起承転結」「序破急」「PREP型」などさまざまな型がありますが、小論文では「序論・本論・結論」の型を採用します。
学術的な論文も同様に「序論・本論・結論」の流れで書かれています。特に大学入試の場合、採点者は日頃から論文に慣れ親しんでいるため、「序論・本論・結論」の基本フォームは押さえておく必要があります。論文と小論文との違いとして、論文では「問い」は自ら設定する必要があるのに対して、小論文では「問い」は与えられるという点が挙げられます。そのため、論文における序論では「問い」について説明しますが、小論文における序論では「問い」そのものではなく「問い」に対する回答を書きます。
|
位置づけ |
記載する内容 |
使用する単語の例 |
序論 |
全体像 |
設問に対する回答、結論 |
〜と考える。 |
本論 |
詳細 |
根拠、理由 |
なぜなら〜。たとえば〜。〜からである。〜ことになる。 |
結論 |
主張の要約 |
まとめ |
したがって〜。このように〜。こうして〜。〜と考える。 |
3. 序論に書く内容
序論では、設問で問われている内容に対する回答を、端的に漏れなく書きます。例えば「あなたの意見を述べなさい」という設問に対しては「私は〜と考える」のように、「賛成か反対か」という設問に対しては「私は賛成です」のように書きます。設問で要約が求められる場合には、要約を書く場合もあります。
ここで書く意見や主張は、自分の考えと違っていても問題ありません。問われているのは論理力や文章力のため、本心では「賛成」でも、倫理的に問題ない内容であれば「反対」という立場で主張を書いて差し支えないということです。
4. 本論に書く内容
本論では、序論の内容を裏付けるような根拠を示します。例えば「なぜなら〜だからだ。」といったように根拠を書きます。
小論文全体の文字数によって、本論に書く内容は異なります。以下を参考に「このくらいの分量ならこのくらいの構成で書こう」という目安をつけたうえで書きはじめていきます。
小論文の文字数制限 |
書く内容 |
内容の例 |
〜400文字 |
理由 |
序論で主張した内容の理由を書く |
400〜800文字 |
理由と具体例 |
理由に加えて実際の体験談、身の回りで起こったことを具体的に書く |
800文字〜 |
反論と再反論 |
序論で述べた意見に反対する意見と、その反対意見を打ち消す反論を書く |
4-1. 理由
文字数制限が400文字以内程度の場合、本論には序論で主張した内容の理由を書きます。例えば序論で「私が大事にしている考え方は少数派の立場の人の意見に耳を傾けることだ。」と書いたなら、本論には「それは、私の母が少数派の民族出身で、苦労している場面をよく目にしてきたからだ。」のように、序論で書いたことの根拠となることを書きます。
4-2. 理由と具体例
文字数制限が400文字から800文字程度の場合、本論には序論で主張した内容の理由に加えてその具体例を書きます。例えば序論に「これまでの仕事の中で最も大きな学びは、より多用な人材の意見を取り入れることが会社や製品の価値を高めるということだ。」と書いたなら、本論には「なぜなら、経歴や性格が同じような人材の集まりでは、革新的・創造的な発想は生まれにくいものだからだ。 」と理由を書いたうえで「実際に、2023年のAプロジェクトでは、幅広い年齢・性別・役職のメンバーを主要メンバーに据えたことで、さまざまな新しいアイデアが生まれ、過去最高の動員数を達成することができた。」とより具体的な根拠を示します。
4-3. 反論と再反論
文字数制限が800文字以上の場合、本論には反対意見と再反論を書くことを検討します。
反論とは、序論で述べた内容に対して、「〜のように考える人もいる。」「〜のような反論が想定される。」のようにあえて反対する意見を書くことです。一方で、再反論とは「〜という意見もあるが、〜ということが考えられるため〜である」のように反論に反論を重ねることを言います。
このように反論と再反論を取り入れることによって、より具体的で論理的な小論文に仕上げることができるメリットがあります。
例えば、序論で「利用者サービスを向上させるために、私は全ての利用者の声をヒアリングする取り組みが必要だと考える。」と書いたなら、本論ではそう考える理由や根拠を述べたうえで「この取り組みについては、時間も手間もかかるため実現が難しいという意見も想定される。」とあり得る反論を述べたうえで、再反論として「しかし、A部で活用が進んでいる新しいオンラインアンケートを活用すれば、実際には時間も手間もかけることなく意見を収集することができる。」といった内容を述べます。
反対意見と再反論のパターンとしては、以下のようなものが挙げられます。自分の意見、新聞や本で読んだこと、海外との比較などを交えてできるだけ具体的に書きます。
-
デメリットとメリット。「〜のようなデメリットもあるが、〜すればこのデメリットは解消することができるため全体としては〜のようなメリットがある。」
-
理想と現実。「あるべき姿としては〜のような理想がある。しかし現実としては〜のような問題がある。」
-
運用の課題。「〜は大きな効果があるように見える。しかし実際に運用面では安全性を阻害する〜のような課題があると考えられる。」
-
短期と長期。「短期的には〜のような効果があるという意見もある。ただし長期的に見ると〜という欠点があると考えられる。」
-
効用の大小。「たしかに〜の地域に限定すると〜のような利点があると考えられる。しかし社会全体で考えると〜のような観点がある。」
5. 結論に書く内容
本論の内容を受けて、「したがって〜」から始まるようなまとめを書きます。指定されている文字数が少なく、序論と結論がほとんど同じ内容になってしまう場合には、結論は書かずに本論で終わりにしても問題ないとされています。
参考:
- 島根大学「小論文(モデル問題) 出題意図・解答例」
6. 「文章力」で減点されないためのポイント
ここまでの内容を理解して構成した文章を書いたうえで、「小論文では減点を防ぐ」という観点が重要です。いくら論理的で説得力のある構成の文章を書いても、文法や漢字に誤りがあると文章力の面で減点されてしまいます。こうした減点を防ぐために、特に気をつけたいのが以下の点です。
6-1. 話しことばを使わない
小論文では話しことばを使いません。以下のように「だから」「〜ので」などの言葉は書きことばに言い換えます。
話しことばの例 |
言い換え |
〜から |
〜ので |
〜けど |
〜が |
〜のに |
〜にもかかわらず |
全然 |
まったく |
多分 |
おそらく |
もっと |
さらに |
だから |
そのため |
でも |
しかし |
じゃあ |
では |
すごく |
非常に |
「話しことば」と「書きことば」は明確に定義されておらず、その差は段階的です。ただし、上記に挙げた例のように、多くの人にとって話しことば的だと受け取られる可能性の高い言葉は小論文には適さないため使用しません。
6-2. オノマトペを使わない
小論文ではオノマトペを使いません。オノマトペとは、「はっきり」「ぼろぼろ」といった擬音語や擬態語などを含む、感覚を表す表現です。
オノマトペの例 |
言い換え |
はっきり |
明瞭に |
しっかり |
十分に |
きちんと |
慎重に |
だんだん |
次第に |
どんどん |
急速に |
びっしり |
隙間なく |
すっかり |
すべて |
6-3. 略語を使わない
小論文では略語を使いません。略語は「ケータイ」「番宣」のように本来の言葉を省略して書く言葉です。「AD」のようなアルファベットの略語は領域によって意味が異なるため、本来の言葉に言い換えて使います。
略語の例 |
本来の言葉 |
自販機 |
自動販売機 |
取説 |
取扱説明書 |
ケータイ |
携帯電話 |
コンビニ |
コンビニエンスストア |
就活 |
就職活動 |
バイト |
アルバイト |
UN |
国際連合 |
AD |
アシスタントディレクター |
6-4. 「ら抜き言葉」「さ入れ言葉」「れ足す言葉」などを使わない
「ら抜き言葉」「さ入れ言葉」「れ足す言葉」といった誤った文法は使わないように注意します。このような言葉は、話しことばでは日常的に使われますが、小論文などの書きことばでは文法の誤りだと判断されるため使用しません。
|
意味 |
例 |
ら抜き言葉 |
可能の意味を持つ「られる」から「ら」が省略された表現 |
「食べれる」「考えれる」 |
さ入れ言葉 |
使役の意味を表すために本来必要のない箇所に「さ」を加えた表現 |
「休まさせていただく」「やらさせていただく」 |
れ足す言葉 |
可能の意味を表すために本来必要のない箇所に「れ」を加えた表現 |
「読めれる」「書けれる」 |
6-5. 漢字を誤りなく書く
「以外」と「意外」のような同音異義語の漢字を誤りなく書きます。特に「回答」と「解答」、「測る」と「図る」など、手書きでもタイピングでも間違える可能性がある漢字については注意して使用します。
読み方 |
同音異義語の例 |
かいとう |
解答・回答 |
ついきゅう |
追及・追究・追求 |
こえる |
超える・越える |
せいさん |
清算・精算 |
てんぷ |
添付・貼付 |
6-6. 読点を適切に使う
適切な箇所に読点を打って、誤読がなく読みやすい文章にします。読点は以下のように、文を区切る場所や誤読しやすい場所に打ちます。
読点を打つ場所
- 文を区切る場所。文が切れる部分には読点を付けます。
- 誤読を防ぐ場所。漢字やひらがなが連続する時、名詞を並列で書く時などに読点を使います。
- 主語のあと(主語が長いとき)。主語が長い時には、主語のあとに読点を打ちます。主語の後に読点を打つことで、主語をはっきりさせることができます。
- 修飾関係を明確にする時。読点がないと意味が何重にも取れる場合には、読点で区切ります。
- 名詞を並列で書く時。名詞をいくつも並べて書く場合には、間に読点を付けます。
6-7. 「たり」は「たり〜たり」の形で使う
いくつかの動作を並べて表現するときに使用する「たり」は、「〜たり〜たり」のように繰り返して使用します。よく見られる誤りが、後方の「たり」が抜けているケースです。こうした「たり」の脱落は文法の誤りであると評価されます。
彼とはよく釣りに行ったり食事をしたりしました。
:f
参考:「『たり』の使い方完全ガイド」
6-8. 送り仮名を適切に使う
送り仮名は、内閣府が示す「送り仮名の付け方」の範囲で統一して書きます。学校教育では習うことがないため、意識したことがないという方も多いのではないかと思いますが、送り仮名にはいくつかのパターンがあります。
まずはこれまでの学校教育で習った送り仮名を適切に使うようにすると当時に、新聞や書籍などで使われている、より一般的な送り仮名を意識して使うようにします。
読み |
新聞や書籍の表記 |
それ以外の表記 |
おさない |
幼い |
幼ない |
つつしむ |
慎む |
慎しむ |
みじかい |
短い |
短かい |
おこなう |
行う |
行なう |
あらわす |
表す |
表わす |
ことわる |
断る |
断わる |
6-9. 間違いやすい語句に注意する
「青田買い」「ぞっとしない」といった間違いやすい慣用句の使い方には十分に注意します。例えば「青田買い」は新入社員の採用を行う企業が、通常よりも早い段階から学生に内定を出すことを意味する表現で「青田刈り」と使うのは誤りです。このように間違いやすい語句は、自信がない場合には他の表現に言い換えるか、意味を理解して正しく使えるようにしておきましょう。
本来の表現 |
誤り |
意味 |
青田買い |
青田刈り |
新入社員の採用を行う企業が、通常よりも早い段階から学生に内定を出すこと |
足をすくわれる |
足元をすくわれる |
卑劣なやり方で、隙をつかれて失敗させられたり痛い目に合わされたりすること。相手に出し抜かれたり逆転されたりされる様子。 |
存亡の機 |
存亡の危機 |
引き続き存在するか、ここで滅びてしまうかという非常に重大な時のこと。存亡の分かれ目となる重大な時機をあらわす。 |
6-10. 推量の表現を使わない
「たぶん〜だと思う」「〜らしい」などの推量や伝聞の表現は使用しません。小論文では曖昧さを排除し、自分の意見や主張として文章を組み立てる必要があるためです。例えば以下のような表現は避けましょう。
小論文で避けたい表現
〜らしい
〜ようだ
〜みたいだ。
〜だろう
〜かもしれない。
〜はずだ。
〜そうだ。
〜という。
6-11. 文末に一貫性を持たせる
小論文の文末は原則として「だである調」で書きます。領域によっては「ですます調」で書いてもよい場合もありますが、一般的に「だである調」で書きます。
だである調 |
ですます調 |
〜と考える。 |
〜と考えます。 |
〜べきである。 |
〜べきです。 |
〜が想定される。 |
〜が想定されます。 |
〜である。 |
〜です。 |
7. 最新のトレーニング方法「AI文章校正ツール」で文章力を高めて減点を減らす
ここまでご紹介したように、小論文を書くときには、「論理的な構成」と「正確な文法」の、どちらも欠かすことはできません。特に社会人や専門職の場合、日々忙しい中で小論文を対策を行う必要があります。しかし、その都度、添削を依頼するのは現実的ではありません。
そこで注目されているのが、AI文章校正ツールの「wordrabbit(ワードラビット)」です。wordrabbitを使うことで、入力された文章の誤りを即座に検出し、修正箇所を理解して「正確な文法」を学習することができます。下記の画像は、wordrabbitを用いた添削の実例です。
7-1. AI校正ツール「wordrabbit」の操作方法
添削を始めるには、次の画像のように小論文の文章を画面上に貼り付けるだけです。文章を入力すると、即座に文法のミスが検知されます。
誤りを検知するだけではなく、詳細な修正理由を確認して次回は間違えないように学習することができます。人の目による添削では見逃されがちな細かな誤りも見逃さず、文章力を向上させることができます。
7-2. AI文章校正ツールのメリット
24時間いつでも添削できる。AI文章校正ツールを使うことで、思い付いたときにいつでも添削を行うことができます。
修正理由が学習できる。修正理由が明確に示されるため、誤ったところだけを確認するだけで学習が完了します。
低コスト。wordrabbitはSaaS型サービスとして提供されているため、高額な初期投資を必要とせず、常に最新のAI技術を利用できるメリットもあります。そのため、コストパフォーマンスに優れた、最先端の校正ツールが手軽に活用可能です。
このように、wordrabbitは添削の効率を大幅に改善し、「正確な文法」を短時間でトレーニングするための強力なサポートツールとなります。
8. 【補足】小論文・論文の出題テーマ
大学入試の小論文と異なり、社会人や公務員、看護師の小論文では、以下のように独自のテーマが出題されます。
8-1. 社会人の小論文の出題テーマ(昇進試験・転職)
社会人の昇進試験や転職のための小論文では、以下のようなテーマが出題されます。
企業によって出題傾向や評価軸は異なりますが、多くの場合「社会人として文章のミスがないかどうか」「企業の抱える課題を認識する能力があるか」といった評価が行われる傾向があります。
企業の昇進試験のテーマ例
- 後輩の仕事レベルを引き上げるためにあなたが工夫していることと、その理由を述べてください。
- 自社の戦略遂行のために求められることは何だと考えますか。
- 自身の役割と組織との関係性を述べてください。
- 企業価値向上に向けて業務を通じて貢献できることは何ですか。
- 職場におけるあなたの役割と課題は何ですか。
- 職場の中で得た知識・経験と今後の課題・目標は何ですか。
- ここ数年のマネジメントの中で、自己の成長が得られたと考える職務実績を、根拠を明確にして記述してください。
8-2. 公務員・教員の試験の出題テーマ
公務員や教員の採用試験にも小論文・論文試験が導入されており、以下のような課題が出題されます。
公務員の試験では、国や自治体の抱える社会問題と連動したテーマが多く出題される傾向があります。人口減少、高齢化、女性活躍、地域格差など、それぞれのテーマに対して公共部門の立場でどのように対処していくかといった「考え」をまとめる対策が必要とされます。
公務員試験の出題テーマ例
- 我が国では、少子化を背景とした人口の減少傾向や、高齢化の更な る進展等による経済社会への影響が懸念されている中で、社会経済活 動の維持に向けた新たな人材の確保という課題が生じています。こうした課題に対して、特別区では少子化対策等の長期的な取組に加え、当面の生産年齢人口の減少に伴う地域活動の担い手不足の解消 等の対策が早急に求められています。このような状況を踏まえ、人口減少下における人材活用について、 特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じ なさい。
- 人口減少・少子高齢社会が本格化し、課題の複雑化と財政状況の悪化が懸念される状況下において、自治体が単独で対応することには限界が出てきている。そうした限界を克服する方法の一つとして注目されているのが、自治体が様々な目的・規模・手法において相互に協力し合う広域連携である。 そこで今後、どのような政策課題について、いかなる広域連携が効果的か、具体的な事例を挙げながら論じなさい。
8-3. 看護師・医療関連の専門職の出題テーマ
看護師や医療関連の専門職では、以下のようなテーマで出題が行われます。
- 利用者やご家族が安心と信頼感を得られる医療サービスを提供するために、看護師として果たすべき役割は何か。あなたの考えを述べてください。
- 「利用者サービスの向上」を進めるうえで、看護師はどのような役割を果たすべきか。あなたの考えを述べなさい。
- 職員として、どのような姿勢で仕事に臨むべきか、あなたの考えを述べなさい。
- 最近関心を持った出来事と、それに対するあなたの考えを述べなさい。
9. まとめ:評価の高い小論文を書くための学習方法
小論文の書き方について、基本・減点を防ぐ方法・テーマの例まで幅広く解説しました。学生・社会人・専門職の方々にとって、キャリアアップの鍵を握るのが文章力です。数時間の対策ではなく、日頃からの継続的な努力と実践によって文章力を磨くことができます。
今は文章を書くのが苦手な方でも、適切なツールと方法を使えば、効率的にスキルアップすることができます。AIは日進月歩で進化しており、テクノロジーを役立てることでスキルの向上につなげることが可能です。この記事が、皆様の小論文の作成、ひいては日常のコミュニケーションにおいてヒントとなれば幸いです。文章は、あなたの考えを世界に伝える力強い手段です。必要に応じてwordrabbitを活用して、その力を最大限に引き出しましょう。