ダッシュ記号とは

ダッシュ記号「—」は、分離や連続を表現する記号です。サブタイトルを表す場合や、話題を変える場合など、以下の6つの使い方があります。

ダッシュ記号を用いる場面

  • サブタイトルを表す時
  • 話題を変える時
  • 余韻を持たせる時
  • カギ括弧で囲むほどではない語句を分離する時
  • 時間的、空間的な経過を表す時
  • 「〜から〜まで」という範囲を表す時

参考:役物の表記ルール

ダッシュ記号に使用する文字

ダッシュ記号は一般的に、EMダッシュと呼ばれる英字記号を使用して表現します。使用する際には、このEMダッシュを1個もしくは2個並べて用います。
参考:JIS X 0213非漢字一覧

ダッシュ記号と混同しやすい記号

ダッシュ記号と混同しやすい記号として、ひらがなの伸ばし棒や、半角ダッシュなどがあります

例えば次の例では、(1)〜(5)の記号のうち、正しい全角ダッシュ記号は(3)です。どれも非常によく似ていますが、日本語の正式な表記ルールでは全く異なります。(3)以外は、ひらがな伸ばし棒や、半角ダッシュを使用しています。

(1)ーーいつも何時におきますか?(ひらがなの伸ばし棒を使用)
(2)––そんなに早くおきて眠くならないのですか?(半角ダッシュを使用)
(3)——子供のお弁当はいつもどうされていますか?(全角ダッシュを使用)
(4)――休みの日はどこに出かけますか?(水平線を使用)
(5)一一それでは最後に一言いただけますか(漢字の一を使用)

PCでの全角ダッシュの入力方法

全角ダッシュ(EMダッシュ)は、Windowsの場合はAltを押しながら0151と入力、Macの場合はshift+option+"-"を同時に押すことで入力できます。伸ばし棒「ー」などから変換することもできますが、似たような記号が並び、判別は困難になります。

全角ダッシュと似た記号の入力方法一覧

表の一番上が、全角ダッシュ(EMダッシュ)です。それ以外の記号は似ていますが用途が異なります。

記号 名称 Unicode割当て Windowsで入力 Macで入力
全角ダッシュ(EMダッシュ) U+2014 Altを押しながら0151と入力 shift+option+"-"
- ハイフン U+002d 半角で単純に入力 半角で単純に入力
マイナス U+2212 不明 全角伸ばし棒からの変換
ENダッシュ U+2013 Altを押しながら0150と入力 option+"-"
水平線 U+2015 全角伸ばし棒からの変換 不明
全角ハイフン U+ff0d 全角伸ばし棒からの変換 全角伸ばし棒からの変換
日本語伸ばし棒 U+30FC 全角伸ばし棒を入力 全角伸ばし棒を入力
罫線記号の横棒 U+2500 「罫線」から変換 「罫線」から変換

英語におけるEMダッシュの意味や由来

EMダッシュは、もともと日本語にはなかった記号で、英語では分離の意味をあらわします。EMダッシュと似たものとしてENダッシュや、マイナス、ハイフンなどの記号もあり、それぞれ用途が異なります。

EMダッシュは「分離を表す」記号

英語におけるEMダッシュは、文の囲い込みあるいは分離を行うために使われます。

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ENダッシュは「範囲を示す」記号

ENダッシュは、日本語における「1〜3ページ」のように「1–3 page」と使います。ENダッシュとEMダッシュとの違いは線の長さです。ENダッシュは「N」の文字幅なのに対して、EMダッシュは「M」の文字幅、つまりEMダッシュのほうがわずかに長い線として表現されるのです。

Oct. 1975-Jan. 1976

ハイフンは「単語を接続する」記号

英語におけるハイフンは、複合語等で曖昧さを避ける必要がある場合に、単語と単語を接続する役割で使用します。

well-known

マイナスは「数式で使う」記号

英語におけるマイナスは、数式表記で用います。

6−3=3

【例外】EMダッシュを使わないケース

全角ダッシュには、一般的には「EMダッシュ」を使用すると説明しましたが、メディアによってはEMダッシュ以外を規定して使用するケースがあります。メディアが標準使用するフォントによって、デザイン上の問題が発生することがあるためです。たとえばダッシュ記号が隣の文字に連結してしまうように見えるなどの理由から、メディアによってはEMダッシュではない記号を使用することがあります。

メディアで使用される記号の一例(2020年1月時点)

日経ビジネス:EMダッシュ「——」(U+2014)
Yahoo!ニュース:水平線「――」(U+2015)
産経新聞:全角ハイフン「--」(U+ff0d)
BARKS:罫線「──」(U+2500)

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ダッシュ記号の違いを理解して使う

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