尊敬語とは

尊敬語とは、目上の人への敬意や尊敬をあらわす敬語です。謙譲語のように自分自身をへりくだるのではなく、動作や状態の主体を高めることによって敬意を表現します。

小林先生がお話しになる
これから社長がお話しになる
どうぞ召し上がってください。
もうすぐお客様がいらっしゃる
先生が母に話してくださる
コーチは野球を熱心に指導なさる

謙譲語と尊敬語の違い

謙譲語も尊敬語も、相手への敬意をあらわす表現です。謙譲語は自分自身をへりくだることによって相対的に相手を高める表現。一方、敬語は相手を高めることによって相手への敬意をあらわす表現です。

尊敬語の種類

尊敬語には、「動詞が変化する形」、「名詞が変化する形」、「形容詞が変化する形」があります。

動詞が変化する形

動詞が変化して尊敬の意味をあらわす形として、「特別な形」、「お〜になる」の形、「〜れる」の形があります。一般に、「〜れる」の形よりも、「特別な形」および「お〜になる」の形の方がより改まった表現だと言われています。

1. 特別な形。動詞が特別な形に変化することによって、尊敬の意味をあらわします。

尊敬語
行く・来る いらっしゃる
いる いらっしゃる
食べる・飲む 召し上がる
寝る お休みになる
死ぬ お亡くなりになる
言う おっしゃる
見る ご覧になる
着る お召しになる
する なさる
知っている ご存じだ
あげる さしあげる
くれる くださる

2. 「お〜になる」の形。動詞に接頭語「お」と、接尾語「になる」をつけることによって、尊敬の意味をあらわします。

「お待ちになる」「お聞きになる」

3. 「〜れる(られる)」の形。動詞に「れる」「られる」をつけることによって、尊敬の意味をあらわします。

「待たれる」「教えられる」

名詞が変化する形

名詞が変化して尊敬の意味をあらわす形として、「名詞の人や物を高める形」「名詞の所有者を高める形」があります。

1. 名詞の人や物を高める形。

次の例のように、その名詞で表される人物を高めます。

「先生」「君」「あなた」「様」

2. 名詞の所有者を高める形。

次の例のように、その名詞の広い意味での所有者を高めます。

「お問い合わせ」「お時間」「お名前」「ご活躍」「ご配慮」

形容詞が変化する形式

形容詞が変化して尊敬の意味をあらわす形式として、「お」や「ご」をつける形があります。

「お忙しい」「お元気」「ご満足」

目上の人と話す場合やビジネスでは尊敬語は大切

尊敬語は動作主に対して敬う気持ちをあらわす表現です。尊敬語と謙譲語の違いを理解し、正しい言い方を身につけましょう。